Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般ポスター 消化器
消化器その他2

(S668)

経皮的超音波ガイド下硬化療法が有効であった出血性ストーマ静脈瘤の1例

A case of ultrasound guided sclerotherapy for bleeding stomal varix

重田 浩一朗, 肱黒 薫, 肱黒 公博, 三阪 高春, 水上 京子, 杉田 浩, 徳留 健太郎, 橋口 正史, 山田 祐輔, 長谷川 将

Kouichirou SHIGETA, Kaoru HIZIKURO, Tomohiro HIZIKURO, Takaharu MISAKA, Kyouko MIZUKAMI, Hiroshi SUGITA, Kentarou TOKUDOME, Masafumi HASHIGUCHI, Yuusuke YAMADA, Susumu HASEGAWA

霧島市立医師会医療センター消化器内科

Gastroenterology, Kirishima Medical Center

キーワード :

症例は62才男性,平成26年1月直腸がんに対して腹腔鏡下Miles施行,局所に遺残あり,3月から平成27年2月までXelox+Bev.施行した.PDとなり,平成27年4月から6月までIRIS+Bev.平成27年7月から平成28年2月panitumumab+CPT11,平成28年3月-Lonsuf冶療中であった.5月頻回のストーマ静脈瘤出血にて入院となった.圧迫等を行ったが,止血できず,頻回の輸血が必要であった.十分な説明と同意の上で経皮的超音波ガイド下硬化療法を行った.超音波ガイド下にストーマ近傍の腹腔内から流れ込む静脈を22Gカテラン針で穿刺し,イオパミロンで遺影するとストーマ周囲の静脈が造影された.5%オルダミン液をlml注入し,ストーマを圧迫し,1分間停留させた.同様の操作で造影剤が進展しなくなるまで合計3.5mlの注入を行うとストーマは直後より浮腫がとれ,その後3ヵ月経過したが出血は認めていない.ストーマ静脈瘤は門脈圧亢進症を合併したストーマ患者に認められる稀な病態であるが,ストーマ交換時等のわずかな刺激で容易に出血する為に患考の生活の質を阻害し,致死的な状況になり,入院を要することも少なくない.大腸がん患者に多用されるようになったオキサリプラチンを含んだ化学療法は肝類洞障害を介して門脈圧亢進をきたすことが知られている.今回我々は化学療法中の直腸がん術後の出血性ストーマ静脈瘤に対し,経皮的超音波ガイド下硬化療法を行い,止血することができたので多少の文献的考察を含めて報告する.