Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般ポスター 循環器
症例2

(S646)

左房に発生した原発性内膜肉腫の一例

A case of primary Intimal sarcoma of the left atrium

鳥山 智恵子, 安部 晴彦, 北林 克清, 西田 博毅, 加藤 大志, 井手本 明子, 伊達 基郎, 上田 恭敬, 榊 雅之, 是恒 之宏

Chieko TORIYAMA, Haruhiko ABE, Katsukiyo KITABAYASHI, Hiroki NISHIDA, Taishi KATOU, Akiko IDEMOTO, Motoo DATE, Yasunori UEDA, Masayuki SAKAKI, Yukihiro KORETSUNE

1国立病院機構大阪医療センター循環器内科, 2国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科

1Cardiovascular Division, National Hospital Organaization Osaka National Hospital, 2Cardiovascular Surgery, National Hospital Organaization Osaka National Hospital

キーワード :

79歳女性.2011年に他院にて腹部大動脈瘤に対してステント-グラフト内挿術を施行.術後の経過は良好であったが,2015年の造影CTで左房内に腫瘤影を指摘され,同年9月,左房内粘液腫の疑いで当院へ紹介となった.経胸壁心エコーでは左室拡張末期径は49mm,左室収縮末期径は29mm,左室駆出率71%と心機能は良好であった.左房径は52mmと拡大し,左房内には後壁に付着する腫瘍と思われる異常構造物を認めた.一部可動性を伴う茎のない構造物であり,可動性部分の大きさは41mm×32mm,表面平滑で境界明瞭,左房後壁に付着し左心耳側へ伸展しており,カラードプラで腫瘤内に血流を疑う信号を認めた.経食道心エコーでは,腫瘤の形態は大きく分けて2つの部分から成り,1つは左房後壁から左心耳にかけて壁在性に連続する内部isoechoicな部分,もう1つは左心耳から可動性のある表面平滑で内部不均一のlow-echoicなブドウ房状部分でさらに,心臓カテーテル検査では,左冠動脈造影時に腫瘤周囲に微小血管群が造影された.以上の検査結果から悪性の心臓腫瘍が疑われ,診断的治療として腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は表面平滑で弾性硬,左房内へ2葉,左心耳内へ1葉突出していた.左房後壁との境界は不明瞭であり完全切除はできなかった.病理組織学的検査により左房内に発生した内膜肉腫と診断された.原発性心臓腫瘍は稀な疾患であり,約75%は良性腫瘍で,その多くは粘液種である.悪性腫瘍は25%程度にすぎず,生前に診断されることは非常に少ない.中でも内膜肉腫は主に肺動脈や大動脈に発生する稀な悪性軟部腫瘍である.今回偶然にも造影CTで腫瘤の存在が明らかとなった.心エコー検査にて腫瘤の形状・付着部位から粘液種などの良性腫瘍とは性質を異にする腫瘍であると考え,外科的切除を行うことで診断できた左房原発と考えられる内膜肉腫の一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.