Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般ポスター 循環器
症例1

(S644)

診断に運動負荷心エコー図検査が有用であった膠原病性肺動脈性肺高血圧症の1例

A Case of Pulmonary Artery Hypertension Associated with Collagen Disease Diagnosed by Exercise Stress Echocardiography

大櫛 祐一郎, 楠瀬 賢也, 瀬野 弘光, 西條 良仁, 山田 博胤, 西尾 進, 鳥居 裕太, 天野 里江, 添木 武, 佐田 政隆

Yuichiro OKUSHI, Kenya KUSUNOSE, Hiromitsu SENO, Yoshihito SAIJO, Hirotsugu YAMADA, Susumu NISHIO, Yuta TORII, Rie AMANO, Takeshi SOEKI, Masataka SATA

1徳島大学病院循環器内科, 2徳島大学病院超音波センター

1Department of Cardiovascular Medicine, Tokushima University Hospital, 2Ultrasound Examination Center, Tokushima University Hospital

キーワード :

【背景】
心エコードプラ法を用いた肺高血圧の診断には,三尖弁逆流血流速波形が頻用されているが,逆流が検出されない場合には適応できず,また,カテーテルによる実測値と乖離することもあり,限界も少なくない.運動負荷心エコー図検査は,安静時心エコー図検査の偽陰性例を回避できるといった報告や,膠原病患者における肺高血圧への進行予測ができるといった報告があり,肺高血圧症の早期診断や予後の評価に有用であるといわれている.今回,運動負荷心エコー図検査により診断ができた膠原病性肺動脈性肺高血圧の1例を経験したので報告する.
【症例】
20歳代,女性.
【主訴】
労作時息切れ.
【入院時現症】
身長162cm,体重60kg,血圧100/64mmHg,心雑音なし,手指冷感あり,下腿浮腫なし.
【検査所見】
心電図:洞調律,正常軸,Ⅱ,Ⅲ,aVF,V1で陰性T波,胸部X線:心胸郭比52%,肺うっ血像なし,血液検査:白血球数3800/μl,血小板数16.7万/μl,CRP0.1mg/dl,BNP139.3pg/ml
【現病歴】
動悸,易疲労感,咳嗽を自覚し,原因精査目的で当院循環器内科を受診した.
【経胸壁心エコー図検査】
右心系は軽度拡大していたが,三尖弁逆流の最高血流速度は2.3m/sec程度で有意な上昇を指摘できず,安静時の心エコー図検査において肺高血圧を強く示唆する所見は認めなかった.症状の原因を明らかにするため,エルゴメーターを用いた運動負荷心エコー図検査を施行したところ,三尖弁逆流の最高血流速度は3m/secを越え,右室の拡大により左室が圧排された.
【経過】
右心カテーテル検査を施行したところ,肺血管抵抗は8.1wood単位/m2と高値であった.他の検査から混合性結合組織病が診断され,膠原病に伴う肺動脈性肺高血圧症と診断した.ステロイドを導入後,肺高血圧症に対してマシテンタン,タダラフィル,ベラプロストを導入した.1ヶ月後に右心カテーテル検査を施行したところ,肺血管抵抗2.8wood単位/m2と肺高血圧の改善を認めた.また,運動負荷心エコー図検査を施行したところ,三尖弁逆流の最高血流速度は2.5m/sと低下しており,左室圧排像も認めなかった(図).
【結語】
運動負荷心エコー図検査を用いて,安静時心エコー図検査では診断できなかった肺高血圧を診断し,肺血管拡張薬を用いたその病態の改善を確認できた1例を経験した.