Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般ポスター 循環器
症例1

(S642)

慢性血栓塞栓性肺高血圧患者(CTEPH)の初診時の右室壁厚に関する検討

A study of Right ventricular wall thickness between CTEPH and non-CTEPH patients at the initial visit

原 信博

Nobuhiro HARA

武蔵野赤十字病院循環器科

Department of Cardiology, Musashino Red Cross Hospital

キーワード :

【背景】
慢性血栓塞栓性肺高血圧患者(CTEPH)は難病に指定され,予後の悪い疾患である.急性肺血栓塞栓症から数%移行すると報告されているが,肺血栓塞栓症初診時からCTEPHの臨床像をしていることもある(acute on chronic).CTEPHは6か月以上症状が固定されていると定義されているが,近年CTEPHに対するバルーン治療(BPA)を施行する症例が増加しているが,診断からバルーン治療までの期間が短い方が治療後に酸素化改善が良いという報告があり,早期診断が重要となっている.
【目的,方法】
CTEPH群を早期に発見するために,後にCTEPHと診断された症例の初診時と,非CTEPH群を心エコー図で測定した右室壁厚を比較検討した.CTEPH群は2007年からの連続12例,対象群は2015年から2016年に当院で肺高血圧を伴った急性血栓塞栓症(massive,submassive PE)で入院し,6か月以上生存が得られ,かつ後にCTEPHと診断されていない,連続26症例を後ろ向きに検討した.
【結果】
CTEPH群は平均値5.4833(95%信頼区間:4.401~ 6.565),非CTEPH群は平均値 2.7808(95%信頼区間:2.550~3.011)であり,等分散を仮定した場合有意差を認めた.
【考察】
初診時の右室の壁厚でCTEPHを早期に診断できる可能性がある.