Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般ポスター 工学基礎
弾性・変位計測,バブル,プローブ

(S639)

ドプラ探触子と外測陣痛計との一体化による一点アクセス胎児監視

Combined Doppler Labor Transducers for One-Point Access Fetal Monitoring

松本 成史, 幸田 学, 服部 浩, 原 量宏, 竹内 康人

Seiji MATSUMOTO, Manabu KODA, Hiroshi HATTORI, Kazuhito HARA, Yasuhito TAKEUCHI

1旭川医科大学病院臨床研究支援センター, 2旭川医科大学脳機能医工学研究センター, 3服部医院開業医, 4秋葉ヶ丘研究所自営業, 5香川大学瀬戸内圏研究センター

1Clinical Research Support Center, Asahikawa Medical University Hospital, 2Research Center for Brain Function and Medical Engineering, Asahikawa Medical University, 3Owner Doctor, Hattori Clinic, 4Self Employed, Akibagaoka Laboratory, 5Seto Inland Sea Regional Research Center, Kagawa University

キーワード :

【背景】
臨床実践される胎児監視においては外測陣痛計は子宮底が触知出来るみぞおち部直下ないし臍窩部の直上あたりに,ドプラ探触子は胎児心が体表面の法線下に来る下腹部左右どちらかに,と別々に設置される.出産中の妊婦の腹にセンサ2個を取り付けまた位置や方角も管理する事は結構煩雑である.
【目的】
本研究においてはこれらの2つのセンサを一体化して腹壁上の1カ所から両信号を採取する構成を試みる.
【方法】
図のごとき平底ドームの水室の天井に送受波器が移動出来るように張り付く構造の探触子を使用した.ドームの外からつまみが着いた磁石で引きつけて方位角空間内を移動出来るので超音波を送り受けする方角を任意に設定する事が出来る.この機能により取り付けた位置から対峙心の方向に観測超音波ビームを斜めに設定する.黒いつまみを持って引き回すと中にある送受波器がドームの内面に沿って角度を変えつつ追従する.ドームは直径60mm厚さ1mmのアクリル,接触面は0.25mm厚のポリカーボネート薄板,これらの台座への一括接着は速硬性エポキシである.背中に磁石が着いた振動子台座はコルクである.一方ドームの底板は超音波の透過窓でありかつ外測陣痛計としての受圧面でもあり,受けた応力はドームの内圧として圧センサにより変換され,陣痛信号となる.尚,使用した胎児監視装置はhp8041A,ドプラシステムはロングパルス・パルスドプラ,観測超音波周波数は1MHzである.
【結果】
試作機は長時間連続的に安定して動作し,診断品位の胎児心拍数図を得ている.目的部位(みぞおち)に設置した時に信号音を聞きつつ用手的にビームの方向を設定する作業は多少の慣れと経験を要するが,あらかじめ胎児心がどの辺りに居るかが分かっていれば比較的容易である.
【考察】
以上の試作試用経験から,陣痛計にとっての最適位置から胎児ドプラ観測が臨床実用レベルで実施出来る事が証明された.実用モデルの試作が進行中である.