Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般ポスター 工学基礎
弾性・変位計測,バブル,プローブ

(S638)

超音波パワードプラを用いた気泡キャビテーション過程の詳細観測

Accurate observation of bubble cavitation process by using power Doppler image

中嶋 俊貴, 江田 廉, 山越 芳樹

Toshitaka NAKAJIMA, Ren KODA, Yoshiki YAMAKOSHI

群馬大学大学院理工学府

Graduate School of Science and Technology, Gunma University

キーワード :

【目的】
これまでに汎用超音波装置のカラードプラ画像を検出法として用い,気泡キャビテーションを誘発する強力超音波の照射を映像超音波の照射に同期して行うことで,高感度なキャビテーション信号観測が可能であることを示してきた[1].本稿では鋭敏な気泡信号の観測のために強力超音波の照射シーケンスを変更し,気泡キャビテーションプロセスを詳細に反映した信号検出を目指す.
【方法】
一般の超音波映像装置では,ドプラ画像生成の際に複数回の繰り返しパルスを送波している.本実験では1枚の画像生成に必要な映像超音波の複数パルスに対して,特定のパルスに同期するタイミングで強力超音波パルスを1回照射するシーケンスとする.これによりパワードプラの画像生成中に進行したキャビテーション過程を,気泡キャビテーション信号の変化量として検出することができる.実験ではEUB8500(日立製作所:7.5MHzリニアプローブ)を用い送波パルスに遅延同期させて周波数2.5MHzの強力超音波を気泡に送波する.寒天ファントムに穿った直径2mmの孔に微小気泡(ソナゾイド)の注射溶液を1×103倍に希釈した溶液を0.5mL注入し,孔位置と焦点が一致するように強力超音波用トランスデューサを配置し,直交する方向から観測が行えるように映像超音波プローブを配置した.
【実験結果】
図は強力超音波の音圧1MPa(バースト長30マイクロ秒)で照射した際に取得したT画像(気泡キャビテーション信号が映像化された走査線上の画像)の輝度解析結果である.横軸は強力超音波の照射開始からの時間,縦軸は輝度値で,パワードプラのフレームごとに解析している.得られる信号の時間分解能は0.17マイクロ秒であった.図よりパワードプラ5フレーム目までは輝度が細かな時間的変動を示していること,6フレーム目以降では比較的大きな輝度変化が照射の前半に現れるなど,フレーム進行に伴って異なる特徴を観測した.これまでに観測した高速度カメラの光学観測の結果と合わせて考えると[2],これらは気泡クラウド形成に関連する気泡状態の信号を反映していると推察される.
【結語】
映像超音波の特定パルスに同期させる強力超音波の照射シーケンスにより,パワードプラのフレームごとの気泡状態の変化検出が可能となった.
【参考文献】
[1]中嶋ら,第89回日本超音波医学会学術集会(2016)
[2]Y. Yamakoshi, et al., Jpn. J. Appl. Phys. 52(2013)