Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 甲状腺(JABTS)
診断

(S610)

腺腫様結節に併発した甲状腺癌診断に対するARFI imagingの有用性

Usefulness of ARFI imaging for detecting small nodule of papillary thyroid carcinoma in nodular hyperplasia

福原 隆宏, 松田 枝里子, 堂西 亮平, 竹内 裕美

Takahiro FUKUHARA, Eriko MATSUDA, Ryohei DONISHI, Hiromi TAKEUCHI

鳥取大学医学部感覚運動医学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野

Department of Otolaryngology-Head and Neck Surgery, Tottori University Faculty of Medicine

キーワード :

【はじめに】
多発する甲状腺結節に併発した甲状腺乳頭癌は,診断が困難な場合がある.特に乳頭癌が小さい場合,超音波のBモードやドプラによる血流評価での特徴的所見を認めにくい.新しいエラストグラフィーであるARFI imagingは,細やかな音響圧迫による微細な組織変位を画像化するため,これまでに診断が難しかったこれらの症例にも有用である可能性がある.
【方法】
当科でARFI imagingによる甲状腺結節の評価を開始した2014年8月以降に,多発する腺腫様結節に併発した長径2cm未満の甲状腺癌を対象とした.細胞診もしくは組織診で診断のついていないものは除外した.ARFI imagingは過去に発表してきたようにグレースケールによる4段階評価とし,Grade1:白色,Grade2:正常部分と同じ灰色,Grade3:周囲より暗い灰色,Grade4:黒とした.Grade3,4が悪性診断として,対象甲状腺癌のAFRI imagingの有用性を評価した.
【結果】
対象となった症例は,12例であった.長径が10mm未満のものが6例,10-20mmのものが6例であった.ARFI imagingの結果は,Grade3が4例(<10mm: 2例,10-20mm: 2例),Grade4が8例であり,全例において悪性を示唆する所見であった.
【結論】
腺腫様結節に合併した甲状腺乳頭癌の検出に,ARFI imagingは有用であった.