Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 甲状腺(JABTS)
症例

(S607)

原発性副甲状腺機能亢進症に対する当院での内科治療の経過

The course of medical treatment at our hospital for primary hyperparathyroidism

南方 瑞穂, 日高 尚子, 重田 真幸, 大黒 晴美, 高橋 克敏, 貴田岡 正史

Mizuho MINAKATA, Naoko HIDAKA, Masayuki SHIGETA, Harumi DAIKOKU, Katsutoshi TAKAHASHI, Masahumi KITAOKA

1公立昭和病院内分泌・代謝内科, 2イムス三芳総合病院内分泌・代謝・糖尿病内科

1Endocrinal Internal Medicine, Showa General Hospital, 2Endocrinal Internal Medicine, Imusu Miyoshi General Hospital

キーワード :

【背景】
原発性副甲状腺機能亢進症の根治治療は手術であるが,シナカルセトの治療適応拡大により高齢患者を中心に内科治療が選択されることが増えている.今回,原発性副甲状腺機能亢進症の診断で内科治療を選択した症例の当院での治療経過をまとめたので報告する.症例は2016年4月から同年12月の間に原発性副甲状腺機能亢進症と診断された17名.全症例で超音波検査とMIBIシンチを施行し,超音波検査は東芝Aplio500を用いて腫大腺の位置や個数,内部血流を評価した.患者年齢や薬物副作用を考慮して手術,エタノール局所注入療法,シナカルセト等の治療方針を決定した.
【結果】
17名中2名は機能亢進程度がごく軽微にて経過観察となり,6名が手術(平均年齢56歳),9名が内科治療(平均年齢78.8歳)を選択した.手術例1名で術後に残存を認めシナカルセト内服を要した.内科治療群のうち2名がシナカルセト,1名がビスホスホネート内服で加療となった.残り6名はエタノール局所注入療法を施行され,そのうち4名はエタノール局所注入後にシナカルセト内服を要した.シナカルセト投与された7名では4名でintact PTHの低下を,6名でCa値の正常化を認めた.超音波所見ではシナカルセト投与前後で腫大腺の大きさに変化は認めなかったが内部血流が低下する症例を認めた.
【結論】
当院では高齢患者や局在診断不能の症例で内科治療が選択された.シナカルセトは一定の治療効果が得られているが,副作用のため増量困難で効果不十分な症例も認めた.