Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 乳腺(JABTS)
症例検討

(S593)

超音波画像上悪性が疑われた乳腺良性症例の検討

Benign diseases of the breast with malignant findings in sonography

伊藤 卓, 長内 孝之, 小田桐 弘毅, 阿部 一之介, 杉山 達朗

Takashi ITO, Takayuki OSANAI, Hiroki ODAGIRI, Kazunosuke ABE, Tatsurou SUGIYAMA

1桂木クリニック乳腺外科, 2国立病院機構弘前病院乳腺外科, 3秋田病理組織細胞診研究所病理科

1Breast Surgery, Katsuragi Clinic, 2Breast Surgery, National Hospital Organization Hirosaki Hospital, 3Pathology, Akita Karyology and Histology Research Center

キーワード :

【はじめに】
乳房超音波検査は現在臨床において必要不可欠なモダリテイーであり,検診での有用性はもとより,良性悪性の鑑別,推定診断,生検するべき部位の特定など多くの情報を我々に与えてくれ,今後より多くの役割が期待される.しかし鑑別が困難な症例は少なからず存在し,それらの知見の集積が今後も望まれる.今回2015年に経験した超音波検査において悪性が疑われた症例のうち良性の病理所見であった症例を経験したのでそれらについて報告する.
【対象】
2015年に経験した乳腺超音波検査4832件を対象とした.
【結果】
針生検,吸引生検(VAB)を施行した症例は268件であり,乳癌の診断は68例(25.8%)であった.超音波検査でカテゴリー4,5に分類された症例は47例でその中で良性と診断された症例は3例認められた.
【症例1】
45歳女性.1型糖尿病で20年余4にわたりインスリン治療中.超音波検診で右乳房腫瘤指摘され来院.MMGは両側ともにカテゴリー1.超音波検査で右ACに11.1x16.9mmの低エコー腫瘤認めた.後方エコーは減弱,境界は明瞭粗造でカテゴリー4.生検し乳腺症の診断.糖尿病性乳腺症が疑われた.以後経過観し変化なく経過中.
【症例2】
77歳女性.右乳房腫瘤自覚し来院.超音波検査で右乳房CDに16.1x18.0mmの低エコー腫瘤認めた.Halo伴いカテゴリー5.生検施行しAdenomyoepitheliomaの診断となった.
【症例3】
61歳女性.右乳房腫瘤自覚し来院.右乳房Cに18.6x19.4mmの低エコー腫瘤認めた.Halo伴いカテゴリー5生検施行しDuctal hyperplasia with atypiaの診断となった.