Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 乳腺(JABTS)
Her2陽性乳癌

(S590)

HER2シグナル比分布は超音波所見に影響するか?

Variability in HER2/CEP17 ratio distribution of breast carcinoma in contrast with US findings

梅本 剛

Takeshi UMEMOTO

つくば国際ブレストクリニック乳腺科

Dept. of Senology, Tsukuba International Breast Clinic

キーワード :

【背景】
HER2(human epidermal growth factor receptor type 2)は,乳癌治療における予後予測因子,抗HER2治療の効果予測因子である.FISH法にてHER2遺伝子増幅の有無を検討すると,症例により得られるHER2シグナル比(※)の分布に差異を認める.
【目的】
HER2シグナル比の分布の違いによる超音波所見の特徴を明らかにする.
【対象・方法】
2016年4月以降,当院にて「HER2遺伝子(FISH)検査」(SRL社)を用いて,HER2遺伝子増幅の有無を連続して検討した浸潤性乳癌47例を対象とした.HER2シグナル比の分布の指標として,ヒストグラムから標準偏差と変動係数を算出し,超音波所見とあわせて検討した.
【結果・考察】
HER2シグナル比の分布は,各サブタイプにより異なっていた.また同一サブタイプ内においても,HER2シグナル比の分布により,超音波所見も異なる傾向であった.これらの差異は,予後や治療効果における異質性(heterogeneity)にも関連し,臨床の場において,遺伝子不安定性(genomic instability)の指標として,活用できる可能性が考えられた.※HER2シグナル比:17番染色体のシグナルの総スポット数に対する,HER2シグナルの総スポット数の比のこと.