Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 乳腺(JABTS)
手技・検査法

(S584)

超音波下吸引式針生検下に留置したセノマークの使用経験

Clinical Experience Using a Sonographically Visible Breast Marker (SenoMark)

岩本 奈織子

Naoko IWAMOTO

がん・感染症センター都立駒込病院乳腺外科

Breast Surgery, Komagome Hospital

キーワード :

【背景】
小さい病変に対する吸引式針生検(VAB)後や,術前化学療法の著効例など,術前切除範囲の決定が困難な症例において,マーカ留置による改善が図られている.
【目的】
超音波(US)で視認性を有するとされているブレストマーカ(セノマーク)の臨床的有用性を検討する.
【対象】
2016年9月から2017年1月までの間,US下VABを施行し,セノマークを留置した5例を対象とした.USでの同定率を検討した.
【結果】
5例はUSで5-13mmの病変で,いずれも微小のためマーカを留置した.VABの病理結果は,2例非浸潤癌,2例Atypical ductal lesion,1例乳管内乳頭腫の診断であった.USはマーカ留置後2-5週に施行され,2例で高エコーとして描出されたが,3例はUSで描出されなかった.
【考察】
セノマークはUSで視認性を有するとされているが,自験例では5例中2例(40%)しかUSで同定することはできなかった.USで視認し得なかった3例のうち2例は,血腫を生じたため描出されなかったと考えられた.1例は留置後のマーカの移動が原因と推察された.今後は症例を蓄積しマーカ留置の良い適応症例の絞り込みや,留置時,留置後のknack & pitfallを明らかにしていきたい.