Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 産婦人科
胎児異常(頭頚部)

(S578)

1児の胎児水腫により診断に至った核型の異なる一卵性一絨毛膜二羊膜双胎妊娠の一例

Discordant Karyotype of Monozygotic Monochorionic Diamniotic Twins with fetal hydrops in one of the twins on prenatal ultrasound examination

石黒 共人, 西岡 暢子, 森 裕介, 高橋 奈々子, 西澤 しほり, 関根 花栄, 永井 富裕子, 糸賀 知子, 須賀 新

Tomohito ISHIGURO, Nobuko NISHIOKA, Yusuke MORI, Nanako TAKAHASHI, Shihori NISHIZAWA, Hnae SEKINE, Fuyuko NAGAI, Tomoko ITOGA, Shin SUGA

越谷市立病院産婦人科

Obstetrics and Gynecology, Koshigaya Municipal Hospital

キーワード :

【緒言】
一卵性の一絨毛膜二羊膜双胎(Monochorionic Diamniotic : MD twin)は理論上,両児の核型は同一と考えられるが,まれではあるが両児の核型が異なる症例が報告されている.今回我々は,45.X及び46.XYと異なる核型を示した一卵性のMD twinを経験したので報告する.
【症例】
38歳,2経妊1経産.自然妊娠後,MD twinと診断され妊娠13週で紹介となった.初診時A児にcystic hygromaと胎児水腫を認めたが,B児には明らかな形態異常を認めなかった.遺伝カウンセリング施行後,胎児染色体検査を希望され,妊娠16週0日両児に対し羊水染色体検査施行.核型はA児45,X,B児46,XYであった.妊娠19週0日にはA児184g,B児118gと両児の推定体重に差を認めSelective IUGRと診断した.臍帯動脈血流は,A児がtypeⅡ,B児がtypeⅢであり,羊水最大深度は,A児が1.5cmと羊水過少であったが,B児は7cmで正常範囲内であった.また,胎盤内にA-A吻合を認めた.臍帯動脈血流異常を伴うSelective IUGRのため,胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術について検討し,妊娠19週3日,ご夫婦に妊娠継続及び胎児治療についての意思を確認後,妊娠19週4日に高次医療施設を受診したが,受診時に両児の子宮内胎児死亡が確認された.妊娠20週2日死産分娩となった.45,X児は胎児水腫であり身長23cm体重280g,臍帯が細く,皮膚が赤黒く変色していた.46,XY児は身長22cm体重190gで外性器は男性型を示し,明らかな外表奇形を認めなかった.胎盤の絨毛染色体検査を行ったところ,結果は46,XYであった.2人の胎児,胎盤,両親検体のDNAを抽出して,サテライトマーカーで,アレルの由来をしらべた結果,2人の胎児及び胎盤は同じアレルの由来であったため,一卵性であることが証明された.
【まとめ】
超音波検査による1児の胎児水腫の診断がきっかけとなり,羊水検査にて診断に至った核型の異なる一卵性のMD twinの一例を経験した.一卵性の一絨毛膜双胎で核型が異なる報告は散見されており,妊娠中の超音波検査所見の違いから診断に至ることが多い.一児のみにcystic hygromaや奇形を認め染色体異常を疑う場合,出生前診断には両児の羊水による染色体検査を考慮する必要がある.文献的考察を加えて報告する.