Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 産婦人科
胎児スクリーニング・教育

(S573)

呼吸様運動が及ぼす左房壁と下行大動脈の距離の変動

The effect of respiration-like movement on changes in the distance between the left atrial wall and descending aorta

今村 梢, 田鍋 いずみ, 川瀧 元良

Kozue IMAMURA, Izumi TAMABE, Motoyoshi KAWATAKI

1野田医院産婦人科, 2東北大学病院産婦人科・神奈川県立こども医療センター産婦人科、新生児科

1Obstetrics, Gynecology, Noda Clinic, 2Obstetrics, Gynecology, Neonatal, Tohoku University, Kanagawa Children's Medical Center

キーワード :

【背景・目的】
総肺静脈還流異常症(TAPVD)のスクリーニングとして,左房壁と下行大動脈間の距離(LAD)計測の有用性が報告されている.我々は,呼吸様運動中にこの距離が延長する現象をこれまで観察している.今回我々は,呼吸様運動が及ぼす左房壁と下行大動脈の距離の変動を同一症例で検討したので報告する.
【対象と方法】
心奇形を合併しない正常胎児100例を対象とした.在胎週数は24から41平均33週,検査者は2人で行った.4CVで左房壁と下行大動脈の最短距離を測定した.呼吸様運動の前と後の2回測定し比較した.
【結果】
呼吸様運動を認めない時のLAD(LAD base)は1.1~3.4mm,平均2.6mm,呼吸様運動中のLAD(LADresp)は2.5~6.8mm,平均4.0mm,その差は0.2~4.1mm,平均1.4mm,その比は1.1~2.6,平均1.6であった.LADrespは統計学的有意に(P<0.001)LADbaseより大であった.
【考案】
呼吸様運動によってLADが拡大することが明らかになったことから,呼吸様運動のない状態でのLADの正常値を再度設定する必要が有ると考える.
【結語】
呼吸様運動時にはLADは延長する.