山本 健太, ABOELLAIL Mohamed, 伊藤 恵, 新田 絵美子, 森 信博, 花岡 有為子, 金西 賢治, 田中 宏和, 秦 利之

Kenta YAMAMOTO, Mohamed ABOELLAIL, Megumi ITO, Emiko NITTA, Nobuhiro MORI, Uiko HANAOKA, Kenji KANENISHI, Hirokazu TANAKA, Toshiyuki HATA

香川大学医学部周産期学婦人科学

Department of Perinatology and Gynecology, Kagawa University Graduate School of Medicine

キーワード :

【背景】
胞状奇胎の診断の際には超音波検査を用いて行われるが，2D超音波検査では稽留流産などの他の疾患との鑑別が困難な場合がある．今回，新しい3D超音波検査を用いて胞状奇胎と診断した2例を経験したので報告する．
【症例】
胞状奇胎はカラードプラ法では，血流を伴わない多数の小嚢胞として確認できる．さらに3D超音波（HDliveFlow with HDlive silhouette mode）を用いると，内部に血流を伴わない，境界明瞭な小嚢胞小嚢胞の数と空間的位置関係を従来の3D超音波と比較してより明瞭に把握することができた．HDliveFlow with HDlive silhouette modeおよびHDlive silhouette inversion modeを用いて小嚢胞と周囲の血管の走行の空間的な関係をよって描出することにより，胞状奇胎の診断の一助となった．
【結論】
新しい3D超音波は胞状奇胎の診断，稽留流産や他の絨毛性疾患との鑑別に有用である可能性が示唆された．