Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 産婦人科
産婦人科腫瘍

(S563)

子宮頸癌におけるSuperb Microvascular Imagingの有用性の検討

The efficacy of Superb Microvascular Imaging in patients with uterine cervical carcinoma

宇野 枢, 八重樫 悠, 伊吉 祥平, 竹田 健彦, 田野 翔, 眞山 学徳, 鵜飼 真由, 岸上 靖幸, 小口 秀紀

Kaname UNO, Yuu YAEGASHI, Syouhei IYOSHI, Takehiko TAKEDA, Sho TANO, Michinori MAYAMA, Mayu UKAI, Yasuyuki KISHIGAMI, Hidenori OGUCHI

トヨタ記念病院産婦人科

Department of Obstetrics and Gynecology, TOYOTA Memorial Hospital

キーワード :

【目的】
Superb Microvascular Imaging(SMI)は,従来の血流評価方法であるColor Doppler Imaging(CDI),Power Doppler Imaging(PDI),Advanced Dynamic Flow(ADF)では評価困難であった微細な血流の描出と,低速の血流描出を可能にした高分解能のドプラ方法である.モーションアーチファクトの影響を最小限に抑えながら,微細な血流を評価できる方法とされ,すでに肝癌などでは有効性が認められてきており,現在様々な病変に対して応用が試みられている.しかし,婦人科領域ではSMIの有効性を示した報告は少ない.子宮頸癌では,これまでCDIなどによる血流評価が,化学放射線療法の有効性と関連するとの報告が複数発表されており,子宮頸癌の血流評価は,診断のみならず治療の効果判定にも有用であると考えられている.今回我々は子宮頸癌におけるSMIの有用性の検討を行った.
【対象,方法】
2016年8月から2016年12月の期間に,当院で子宮頸癌と診断した患者全例に対してSMIを施行した.初診時の腫瘍内の血流と,治療経過による血流の変化を評価した.また,子宮頸癌の治療中に再発が疑われた症例に関しても,同様にSMIを含めた評価を行った.
【結果,考察】
同期間にSMIによる血流を評価できたのは14例であった.平均年齢は52.6歳で,扁平上皮癌が10例,腺癌が2例,小細胞癌が1例,未分化癌が1例であった.評価を行った時期は,初診時が12例であり,2例は再発病変に対して評価を行った.また術前の評価を2例で施行し,2例は化学療法後にも施行した.初診時の評価では,CDI,PDI,ADFでも腫瘍内に血流を認めたが,SMIでは腫瘍内の葉状血管をより明瞭に描出可能であった.化学療法後に施行した2例では初診時と比較して,腫瘍内の血流は著明に減少し,縮小した腫瘍病変の境界が明瞭に描出できた.また,術前評価に用いた症例では,SMI特有の詳細な血流の評価により腫瘍の存在範囲の判断が可能であった.手術となった症例は2例とも予定の手術が完遂できた.
【結論】
SMIではこれまでのCDI,PDI,ADFよりも腫瘍内の微細な血管を描出することが可能であった.また,CDIでの報告と同様に,化学療法後には腫瘍内の血流が著明に減少していることをより詳細に捉えることが可能あった.SMIによる詳細な血流評価は,子宮頸癌においても,診断や治療効果の判定に有用である可能性が示唆された.
【文献】
1)Alczar JL, Castillo G, Martnez-Monge R, et al. Transvaginal color Doppler sonography for predicting response to concurrent chemoradiotherapy for locally advanced cervical carcinoma. J Clin Ultrasound. 2004;32:267272.
2)Huang YF, Cheng YM, Wu YP, et al. Three-dimensional power Doppler ultrasound in cervical carcinoma: monitoring treatment response to radiotherapy. Ultrasound Obstet Gynecol. 2013;42:8492.