Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 消化器
エラストグラフィ3

(S539)

脂肪肝評価におけるShear Wave Dispersion(粘性)Imagingの有用性

The value of Shear Wave Dispersion (Viscosity) Imaging on fatty liver

杉本 勝俊, 森安 史典, 佐野 隆友, 古市 好宏, 小林 功幸, 本庄 泰徳, 渡辺 正毅, 嶺 喜隆, 糸井 隆夫

Katsutoshi SUGIMOTO, Fuminori MORIYASU, Takatomo SANO, Yoshihiro FURUICHI, Yoshiyuki KOBAYASHI, Yasunori HONJO, Masaki WATANABE, Yoshitaka MINE, Takao ITOI

1東京医大消化器内科, 2国際医療福祉大学山王病院がん局所療法センター, 3東芝メディカルシステムズ株式会社超音波開発部

1Department of Gastroenterology and Hepatology, Tokyo Medical University, 2Department of Gastroenterology and Hepatology, International University of Health and Welfare, Sanno Hospital, 3Ultrasound Division, Toshiba Medical Systems Corporation

キーワード :

【背景・目的】
近年,NAFLD/NASHにおいても,肝線維化が予後と最も強く関連する因子であることが報告され,非侵襲的な肝線維化診断の重要性が再認識されている.現在,この目的に対し超音波shear wave elastography(SWE)がその一翼を担っている.しかし,NAFLD/NASHには肝線維化のみならず,程度の差こそあれ肝細胞内に脂肪沈着が認められるため,肝線維化の正確な評価を行うためには,SWEで測定されるせん断波の伝搬速度における脂肪沈着の影響を評価する必要がある.今回我々は,程度の異なる単純性脂肪肝モデルラットを作製し,せん断波の伝搬速度における脂肪沈着の影響を評価したので報告する.
【方法】
5週齢の雄性SDラット15匹を以下の4群に分類した:G0(n=12):コントロール群;G1(n=5):高脂肪食(high fat diet 32:日本クレア)4週間投与群;G2(n=5):高脂肪食8週間投与群;G3(n=5):高脂肪食12週間投与群.G2,G3,G4は単純脂肪肝モデルとした.超音波診断装置は東芝メディカルシステムズ社製Aplio i800を使用し,各群のラットに対し開腹下にSWEを行った.せん断波の伝搬速度(m/s)および粘性率に関連したdispersion slope([ml/s]/kHz)を計測し,各群におけるそれらの数値を比較した.
【成績】
せん断波の伝搬速度はG0からG3にかけて段階的に低下する傾向を呈した(Jonckheere-Terpstra test: P<0.05).一方,dispersion slopeはG0からG3にかけて段階的に上昇する傾向を呈した(P<0.05).
【考察・結論】
せん断波の伝搬速度は肝臓の粘弾性を反映し,dispersion slopeは肝臓の粘性を反映していると考えられる.本実験の結果より,脂肪肝の程度が上昇するにつれて“粘性”は上昇していた.一方,“弾性”は低下していた.このことより,脂肪沈着は肝弾性率を低下させることが示唆された.一方,粘性に関連したdispersion slopeは脂肪肝の程度と相関しており,脂肪肝の程度の評価に有用である可能性が示唆された.以上より,肝線維化の推定を目的にSWEで肝硬度を測定する際には,脂肪沈着の程度を評価することが必要である.その評価にdispersion slopeが有用である可能性がある.