Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 消化器
胆道1

(S526)

造影超音波検査は黄色肉芽腫性胆嚢炎と胆嚢癌の鑑別に有用である

Contrast-enhanced ultrasonography with Sonazoid for differential diagnosis of xanthogranulomatous cholecystitis and gall bladder cancer

角南 智彦, 高畠 弘行, 上野 真行, 萱原 隆久, 友國 淳子, 水野 元夫, 山本 博

Tomohiko SUNAMI, Hiroyuki TAKABATAKE, Masayuki UENO, Takahisa KAYAHARA, Junko TOMOKUNI, Motowo MIZUNO, Hiroshi YAMAMOTO

1倉敷中央病院消化器内科, 2倉敷中央病院臨床検査技術部

1Department of Gastroenterology and Hepatology, Kurashiki Centoral Hospital, 2Department of Laboratory Medicine, Kurashiki Centoral Hospital

キーワード :

【目的】
黄色肉芽腫性胆嚢炎(xanthogranulomatous cholecystitis:以下XGC)は胆嚢壁の著明な肥厚を伴う比較的稀な炎症性病変である.肝や十二指腸などの周囲臓器へ浸潤性に炎症が波及することがあり,画像上しばしば胆嚢癌との鑑別が困難で,XGCに対して胆嚢癌としての過大侵襲手術が選択されたとの報告も認められる.浸潤を伴う胆嚢癌の場合,術中の組織診断は癌の散布の危険性もあり望ましくない.そのため,より精度の高い術前精査が求められており,近年,造影超音波検査(Contrast-enhanced ultrasonography:以下CE-US)の有用性が少数ながら報告されている.今回我々は,CE-USが診断の一助となったXCG4例を経験したので,CE-USで評価可能であった胆嚢癌6例と比較して報告する.
【対象と方法】
対象は,2010年1月から2016年12月までに胆嚢癌もしくはXGCとの鑑別が画像上CTやMRIでは困難であり,CE-USで観察を行った10例.超音波装置としてTOSHIBA社製Aplio XG,400,500を使用し,超音波造影剤はSonazoid 0.5mlをbolusで経静脈的に投与して経時的に観察した.最終診断としてXGCと診断した4例と胆嚢癌と診断した6例のCE-US所見を比較検討した.
【結果】
XGC4症例では,全例で肥厚した胆嚢壁が早期に均一な造影効果を認めた.3例で胆嚢内腔の粘膜面が連続的に捉えられた.3例では造影剤投与後90秒程度で肝との境界は明瞭となった.3例で壁内にRASと思われる境界明瞭な低エコーの小結節を確認できた.一方胆嚢癌6症例では,全例で肥厚した胆嚢壁は不均一に染まり,また胆嚢内腔の粘膜面の連続性は認められなかった.4例では肝と胆嚢壁との境界は不明瞭であり,4例で内部に異常血管を認めた.
【結論】
XGCでは胆嚢癌と比較して,CE-USにより胆嚢壁の均一な造影,RASと思われる境界明瞭な低エコー結節,後血管相での肝との明瞭な境界などの特徴的な所見が認められ,CE-USは,XGCの診断の一助となり,治療方針決定に寄与しうるものと考えられた.