山本 崇文, 松原 浩, 浦野 文博, 内藤 岳人, 木浦 伸行

Takafumi YAMAMOTO, Hiroshi MATUBARA, Humihiro URANO, Takehito NAITO, Nobuyuki KIURA

¹豊橋市民病院消化器内科, ²豊橋市民病院放射線技術室

¹Department of Gastroenterology, Toyohashi Municipal Hospital, ²Department of Radiology, Toyohashi Municipal Hospital

キーワード :

【症例】
70歳代男性．
【経過】
20XX年急性胆嚢炎・肝膿瘍の診断で転院搬送となり，同日に経皮経肝膿瘍ドレナージと抗生剤加療を施行した．経過観察中の腹部超音波検査（AUS）で胆嚢底部に19mm大の広基性で不整な隆起性病変を認め，病変基部には血流シグナルを認めた．造影AUSでは，胆嚢底部の広基性病変は，造影早期から濃染を認め造影効果は遷延していた．ERCP検査所見は，膵胆管合流異常を認めず．中部胆管から上部胆管に滑らかな狭窄を認めた．狭窄部の生検から悪性所見は認めなかったがAUS所見から胆嚢底部癌と診断した．外科的手術の方向となったが，待機中に黄疸症状が出現したため，再度ERCPを施行した．上部胆管の狭窄は進行し，IDUSで肝門部から上部胆管に胆管壁の肥厚を認めた．
【結語】
今回我々は急性胆嚢炎・肝膿瘍を併発し，AUSが診断に有用であった胆嚢癌の1例を経験したので報告する．