Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 消化器
消化器その他

(S515)

脾Shear wave elastgraphyの初期検討~第二報 疾患特異性も含めて~

Initial review of Shear wave elastgraphy for spleen: 2nd report

塩屋 晋吾, 平賀 真雄, 有馬 大樹, 川村 健人, 大久保 友紀, 林 尚美, 佐々木 崇, 坂口 右己, 中村 克也, 重田 浩一朗

Shingo SHIOYA, Masao HIRAGA, Daiki ARIMA, Kento KAWAMURA, Yuki OOKUBO, Naomi HAYASHI, Takashi SASAKI, Yuuki SAKAGUCHI, Katsuya NAKAMURA, Kouichirou SHIGETA

1霧島市立医師会医療センター医療技術部放射線室, 2霧島市立医師会医療センター医療技術部臨床検査室, 3霧島市立医師会医療センター消化器内科

1Radiation, Kirishima City Medical Association Medical Center, 2Clinical laboratory, Kirishima City Medical Association Medical Center, 3Gastroenterology department, Kirishima City Medical Association Medical Center

キーワード :

【背景・目的】
肝疾患患者に対する肝硬度測定法としてShear wave Elastographyによる検討が多くなされ
報告されている.脾臓でもShear wave Elastographyを使用した脾硬度に関する報告が多少あるがまだ少ないのが
現状である.そこで今回,脾Shear wave Elastographyに関する初期検討を行ったので報告する.
【使用装置】
東芝メディカル社製 Aplio500 PVT-375BTプローブ,Echosens社製 FibroScan 502 touch(以下,FS) Mプローブ
【対象・方法】
肝疾患のない健常群28例,肝疾患群57例,血液リンパ疾患群5例の90例である.Shear wave Elastographyで脾Stiffness(以下,脾Vs値)と肝Stiffness(以下,肝Vs値)を全例測定した.また肝疾患群ではFSを測定した.
【検討項目】
①健常群で脾Vs値と年齢・性別との関係,健常群と肝疾患群でそれぞれ脾Vs値と肝Vs値,Spleen index(以下,SI)の相関性を評価した.②3群間での脾Vs値とSIを比較した.③C型肝疾患の脾Vs値とFSにおける肝線維化stagingを対比した.④脾Vs値の疾患特異性を評価した.
【結果】
①脾Vs値と年齢の相関は確認できなかった.また性別で有意差は確認できなかった.健常群で脾Vs値と肝Vs値,SIとの間に相関は確認できなかった.肝疾患群ではC型肝疾患,B型肝疾患でのみ脾Vs値と肝Vs値,SIとの間に相関を認めた.②血液リンパ疾患群は他群と比しSIは高いが脾Vs値は健常群と同程度に低かった.
③C型肝疾患でのFSによる肝線維化stagingとの比較ではF4でのみ有意差が得られた.④脾Vs値の疾患別の比較ではAIHが最も高く他疾患との間に有意差を認めた.
【結語】
脾Shear wave elastgraphyにおける初期検討を行った.疾患別ではAIHが最も高値で新たな診断の一助となりうる可能性が示唆された.文献的考察を加え当日報告する.