Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 循環器
心機能3

(S490)

リアルタイムImage Fusion技術を使用し,安全に心嚢ドレナージ術を施行しえた3症例

Three cases underwent pericardial drainage securely, using real-time Image Fusion technology

金子 明弘, 竹内 夕紀子, 許 正翰, 小笠原 大介, 櫻井 正人, 植田 充典, 宮島 透, 田中 弘教

Akihiro KANEKO, Yukiko TAKEUCHI, Shokan KYO, Daisuke OGASAWARA, Masato SAKURAI, Atsunori UEDA, Toru MIYAJIMA, Hironori TANAKA

1宝塚市立病院循環器内科, 2宝塚市立病院消化器内科

1Cardiology, Takarazuka City Hospital, 2Gastroenterology, Takarazuka City Hospital

キーワード :

日常診療の中で,心嚢液貯留をきたす症例は,循環器内科医であれば誰もが経験するものである.心嚢液貯留の原因としては,冠動脈破裂や心破裂,急性大動脈解離,右心不全,,心膜炎などの循環器領域だけではなく,悪性腫瘍や甲状腺機能低下,膠原病,腎不全など他領域が関与することも多い.心嚢ドレナージ術は,心嚢液の急性貯留で少量であっても血行動態の破綻をきたす心タンポナーデや,慢性貯留であっても多量となった場合の心タンポナーデに対する,排液による治療目的は当然のこと,悪性腫瘍や炎症疾患におけるサンプリングによる確定診断目的などで施行している.しかし,多くの症例における心嚢ドレナージ術では,超音波診断装置のみを使用した穿刺が多く,合併症のリスクも5.9%以上と高いものである.心嚢ドレナージ術による合併症には,冠動静脈損傷,心筋損傷,肺損傷,肝損傷,血胸などがあり,発生すれば致命的であり,緊急開胸手術が必要となることも多く,場合によっては救命できないこともあるため慎重を要する.
心嚢ドレナージ術で必須となる超音波診断装置は,Computer Tomography(以下CT)やMagnetic Resonanse Imaging(以下MRI)に対し,検者依存性や客観性の観点で劣っていることが問題とされてきた.近年,超音波診断装置にCTやMRIの画像を取り込み,超音波画像とフュージョン表示する,リアルタイムImage Fusion技術が開発され,腹部消化器領域や肺領域等でも応用が進んでおり,穿刺や治療補助,治療効果判定などで有効性が確認されている.しかし,合併症のリスクが高い心嚢ドレナージ術に際し,リアルタイムImage Fusion技術を応用した報告は少ない.
今回,我々は,癌性心膜炎,心アミロイドーシスによる心膜炎における慢性・亜急性心嚢液貯留の症例に対し,リアルタイムImage Fusion技術を用いて,心嚢液貯留に対する心嚢ドレナージ術を安全に施行しえた症例を3例経験したため報告する.