Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 循環器
心機能3

(S489)

正常例の肺体血流量比(Qp/Qs)計測による精度評価

Quantification of pulmonary to systemic flow ratio by Doppler echocardiography in the normal heart

原田 昌彦, 煙草 敏, 寶田 雄一, 林 京子, 原 文彦, 鈴木 真事

Masahiko HARADA, Satoshi TABAKO, Yuichi TAKARADA, Kyoko HAYASHI, Fumihiko HARA, Makoto SUZUKI

1東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部, 2東邦大学医療センター大橋病院臨床検査部, 3東邦大学医療センター大森病院循環器内科

1Department of Clinical Functional Physiology, Toho University Medical Center Omori Hospital, 2Department of Clinical Functional Physiology, Toho University Medical Center Ohashi Hospital, 3Department of Cardiology, Toho University Medical Center Omori Hospital

キーワード :

【背景】
肺体血流量比(Qp/Qs)は,先天性短絡疾患の重症度評価や手術適応に重要な指標である,心エコー法による血流量計測の応用として,Qp/Qsは非侵襲的かつ簡便に求められるが,画像の描出程度やドプラビームの入射角度など被験者側の要因は勿論,検者自身の技量面も計測値に影響を与えるものと思われる.本研究の目的は,正常例のQp/Qs計測における心エコー検査経験年数の影響と計測値のばらつきを検討することである.
【方法】
心エコー検査経験2年以上の検査技師により,正常例(本来Qp/Qs=1となる)を対象にQp/Qs計測を行った.画像不良例,心房細動,弁膜疾患,心筋疾患,短絡疾患は除外し,計測期間は1か月,20例/1技師を目標とした.計測項目は,①右室流出路径,②右室駆出波形の時間速度積分値,③左室流出路径,④左室駆出波形の時間速度積分値,いずれも2回計測しその平均値を求め,従来の方法よりQp/Qsを算出した.
【結果】
2施設9名の検査技師(経験年数;2~10年以上)により133例のQp/Qs計測を行った.9名全体のQp/Qsは,mean±SD;1.05±0.22,range;0.46~2.0であった.心エコー検査経験年数により中堅技師群;5名(経験年数;2~5年)と熟練技師群;4名(経験年数;10年以上)の2郡に分類したところ,中堅技師群のQp/Qsは,mean±SD;1.05±0.24,range;0.46~2.0,熟練技師群のQp/Qsは,mean±SD;1.06±0.19,range;0.74~1.55であった.両群とも,Qsに対してQpが大となる傾向を示した.
【考察と結語】
心エコー検査経験2年以上の技師では,10年以上の熟練技師とほぼ当程度の精度でQp/Qs計測が行えた.正常例において,必ずしもQp/Qs=1とはならず,多少のばらつきは許容範囲と思われる.Qp/Qs過大評価の要因としては,主に右室流出路径計測の誤差が影響していた可能性がある.日頃の検査において,ドプラ法を用いた流量計測に慣れ親しみ,検査経験を積むことが,信頼性の高い正確なQp/Qs計測に繋がるものと考える.