Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 循環器
血管

(S480)

僧帽弁輪石灰化と大動脈プラークとの関連についての検討

Relationship between mitral annular calcification and aortic plaque

室橋 輝, 新井 光太郎, 齋藤 千紘, 芦原 京美, 萩原 誠久

Akira MUROHASHI, Kotaro ARAI, Chihiro SAITO, Kyomi ASHIHARA, Nobuhisa HAGIWARA

東京女子医科大学病院循環器内科

Department of Cardiology, Tokyo Women's Medical University

キーワード :

【目的】
僧帽弁輪石灰化(mitral annular calcification:MAC)は僧帽弁輪部の進行性のカルシウム沈着を原因とする病態であり,頻度は加齢とともに増加する.MACによって左室流入血流が加速し僧帽弁狭窄症様の血行動態に至る場合があることは一般的に知られており,近年冠動脈疾患や脳血管疾患との関連も示唆されているが,MACと大動脈プラークとの関連を示す報告は少ない.本研究の目的はMACの有無と動脈硬化指標である大動脈プラーク厚との関連について明らかにすることである.
【方法と結果】
当院で経胸壁心エコー図検査と経食道心エコー図検査の両方を施行した424例から,僧帽弁形成術後,僧帽弁置換術後,リウマチ性僧帽弁狭窄症を除外した387例について検討した.経胸壁心エコー図検査でMACを認めた群(MAC群)とMACを認めなかった群(no-MAC群)とに分類し,各群の大動脈のプラーク厚を経食道心エコー図検査で測定し両群の比較を行った.平均年齢は64歳で女性は123例(32%)であった.55例(14%)にMACを認めた.大動脈プラーク厚はMAC群がno-MAC群に対してより厚い傾向にあった(2.6mm±1.7mm vs 1.5mm±1.8mm,p<0.01).
【結論】
経胸壁心エコー図によるMACの評価は大動脈の動脈硬化の評価指標となり得ることが示唆された.