Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 循環器
症例 心筋症2

(S477)

一酸化炭素中毒による心筋障害の検出に左室長軸方向ストレインが有用であった一例

A case of carbon monoxide poisoning in which left ventricular longitudinal strain was useful for the detection of myocardial injury

飯岡 勇人, 山本 昌良, 一戸 貴子, 町野 智子, 石津 智子, 瀬尾 由広, 青沼 和隆

Yuto IIOKA, Masayoshi YAMAMOTO, Takako ICHINOHE, Tomoko MACHINO, Tomoko ISHIZU, Yoshihiro SEO, Kazutaka AONUMA

筑波大学附属病院循環器内科

Department of Cardiology, Faculty of Medicine, University of Tsukuba

キーワード :

症例は既往症の無い48歳の男性.漁船で仕事中に一酸化炭素中毒となり倒れているところを発見された.近医に緊急搬送となったが高圧酸素療法が必要と判断され,当院に搬送となった.来院時は意識障害を認め,心エコーでは左室駆出率は58%と正常範囲であったが,左室長軸方向ストレインの低下(-15.6%)を認め,左室心筋障害の存在が疑われた.また,肺高血圧は認めないものの右室拡大と右室収縮能低下(右室面積変化率 18.6%),右房圧の上昇から両心室への心筋障害が疑われた.心電図では広範囲な誘導でのST上昇を認めたが心筋逸脱酵素の上昇は認められなかった.その後,高圧酸素療法が施行され,第四病日には右室機能と左室長軸方向ストレインの改善を認め,第八病日には心機能は正常化に至った.一酸化炭素中毒伴う低酸素性心筋障害の回復過程を左室長軸方向ストレインを用いて詳細に観察できた稀な症例と考えられ,報告する.