Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 循環器
症例 心筋症2

(S476)

剖検により診断されたAcromegalic cardiomyopathyの1例

Acromegalic cardiomyopathy: A case report

西條 良仁, 山田 博胤, 楠瀬 賢也, 瀬野 弘光, 天野 里江, 山尾 雅美, 西尾 進, 黒部 裕嗣, 渡邉 俊介, 佐田 政隆

Yoshihito SAIJO, Hirotsugu YAMADA, Kenya KUSUNOSE, Hiromitsu SENO, Rie AMANO, Masami YAMAO, Susumu NISHIO, Hirotsugu KUROBE, Syunsuke WATANABE, Masataka SATA

1徳島大学病院循環器内科, 2徳島大学病院超音波センター, 3徳島大学病院心臓血管外科, 4徳島大学病院病理

1Cardiovascular Medicine, Tokushima University Hospital, 2Ultrasound Examination Center, Tokushima University Hospital, 3Cardiovascular surgery, Tokushima University Hospital, 4Pathology, Tokushima University Hospital

キーワード :

【症例】
60歳代,男性.
【主訴】
労作性呼吸困難.
【既往歴】
20年前,先端巨大症に対し経蝶形骨腺腫切除術およびγナイフ切除術.
【現症】
心拍数:56回/分,血圧:136/49 mmHg,SpO2:97%(大気下),心音:S1→,S2→,S3(+),S4(-),傍胸骨第3肋間を最強点とする拡張期雑音(LevineⅢ/Ⅵ°),呼吸音:右下肺野でcrackles聴取,BNP:107pg/dl,心電図:洞調律正常軸ⅡⅢaVFで陰性T波左室肥大,胸部X-p:心胸郭比63%右肋骨横隔膜角鈍.
【現病歴】
12カ月前より労作性呼吸困難が続いており,精査目的のため当院に紹介された.
【臨床経過】
経胸壁心エコー図検査で著明な左室拡大を認め,左室駆出率(EF)は53%であった.上行大動脈径44mm,バルサルバ洞径50mmと拡大していた.大動脈弁右冠尖の逸脱を認め,color Doppler法で偏位して吹く重度大動脈弁逆流を認めた.上行大動脈拡大および大動脈弁逆流に対して,Bentall手術+上行大動脈置換術を施行した.術後,EFが31%と低下し,重度僧帽弁逆流が出現した.低心機能および持続性心室頻拍に対し,CRT-D植込み術を施行した.当院外来で加療を継続していたが,心不全増悪による再入院となり第69病日に多臓器不全で永眠された.
【剖検】
僧帽弁のムコ多糖沈着および粘液変性,左室心内膜の著明な線維化と肥厚を認め,acromegalic cardiomyopathyであったことが診断された.
【考察】
先端巨大症において,心血管合併症は重要な予後規定因子であり,治療抵抗性の心不全を来すacromegalic cardiomyopathyという疾患概念が提唱されている.本例は,左室収縮能の低下と新たな弁膜症の出現が術後転帰の急速な悪化につながったが,剖検所見により,心内膜の著明な線維化や肥厚および弁の脆弱性による弁膜症を確認することができた.先端巨大症の心病変は,治療に関わらず罹病期間に相関して発症し,罹病10年以上で90%以上に心病変を認めるとの報告もある.心病変が進行すれば本例のように治療抵抗性の場合が多く,先端巨大症と診断された場合には心病変の早期診断,早期治療を心掛ける必要がある.
【結論】
心内膜の著明な線維化および肥厚を認めたacromegalic cardiomyopathyの1例を経験した.