英文誌(2004-)
一般口演 循環器
症例 心筋症1
(S471)
アレルギーの関与が強く示唆された高IgE血症を伴う好酸球性心筋炎の一例
Acute eosinophilic myocarditis associated with hypersensitivity complicated by Hyperimmunoglobulin E syndrome: a case report
小西 崇夫
Takao KONISHI
北海道循環器病院循環器内科
Department of Cardiology, Hokkaido Cardiovascular Hospital
キーワード :
症例は39歳男性.2日前から胸痛が出現し近医を受診したところ,心筋梗塞が疑われ当院に紹介受診となった.心電図上,II,III,aVF,V3-6でST上昇があり,心臓超音波検査では,左室肥大を伴った下後壁の高度壁運動低下,軽度の心嚢液貯留を認めていた.また,入院時IgE 1280 IU/ml(正常:<170 IU/ml)と高値を認めていた.冠動脈造影検査上,有意狭窄を認めず,心筋生検では,心筋の線維化を伴った好酸球,及び,リンパ球浸潤を認めた.入院時の末梢血好酸球は6.1%であったが,その後,35.0%まで上昇し,ステロイドを開始した.その後,心電図,心臓超音波検査は正常所見へと改善し,好酸球数も正常範囲内となり,現在,症状なく経過している.アレルギー検索を行ったところ,抗原に対する陽性反応と抗原暴露の病歴があり,アレルギーが関与した好酸球性心筋炎が考えられた.