Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

一般口演 工学基礎
超音波治療・援用

(S465)

ロバストかつ高精度な超音波ガイドRFA治療支援システムの開発

An ultrasound guided monitoring system for RFA ablation therapies

近藤 亮祐, 小泉 憲裕, 冨田 恭平, 西山 悠, 月原 弘之, 福田 浩之, 沼田 和司, 光石 衛, 松本 洋一郎

Ryosuke KONDO, Norihiro KOIZUMI, Kyohei TOMITA, Yu NISHIYAMA, Tsuyoshi TSUKIHARA, Hiroyuki FUKUDA, Kazushi NUMATA, Mamoru MITSUISHI, Yoichiro MATSUMOTO

1電気通信大学大学院情報理工学研究科機械知能システム学専攻, 2横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター, 3東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻, 4東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻, 5理化学研究所, 6電気通信大学大学院情報理工学研究科情報・ネットワーク工学専攻

1Graduate school of Informatics and Engineerling, The University of Electro-Communications, 2Gastroenterological Center, Yokohama City University Medical Center, 3The Graduate School of Engineering, The Univ. of Tokyo, 4The Graduate School of Engineering, The Univ. of Tokyo, 5RIKEN, 6Graduate school of Informatics and Engineerling, The University of Electro-Communications

キーワード :

【目的】
現在,低侵襲ながん治療法の一つとしてUSガイドによるRFA治療が用いられている.しかしながら本治療法においては,複数回針を刺す際に焼灼により段々と水蒸気で白くなり,次の針を刺す際に腫瘍辺縁部位がUS画像上で不明瞭になる問題をはじめ,焼灼範囲やその焼灼具合の評価において医師の熟練に依存した箇所が存在する.上記を踏まえて本報では,治療前にあらかじめ選択した腫瘍領域および腫瘍周辺のマージン領域(以下,焼灼対象領域とよぶ)をUS画像上で重畳表示することにより,治療にともない腫瘍の見え方が変化しても,ロバストかつ高精度に腫瘍領域に追従,これを見失うことなくその焼灼具合を評価することが可能なRFA治療支援システムを実現する.
【方法】
本システムは焼灼対象領域の追従システムおよびモニタリングシステムの2つのサブシステムによって構成される.追従システムについては,呼吸にともなって運動する焼灼対象領域の追従手法として,複数枚でのテンプレートマッチング手法を新規に提案する.複数枚のテンプレートを肝臓の要素に対応させ,それらを重ね合わせたエネルギー関数を構成することでロバストかつ高精度な追従を実現する.テンプレート領域は,高精度な追従のために十分な画像特徴を有し,なおかつRFA治療中にそのテクスチャ情報が極力変化しないことが望ましい.モニタリングシステムについては治療の進行に応じて焼灼,熱凝固した領域はUS画像上で高輝度に変化する.これを用いて焼灼具合の評価を行なう.
【実験】
実装した各サブシステムについて,モニタリング実験および追従精度評価実験を行った.具体的にモニタリング実験においては,実際のRFA治療動画に対して本システムを適用,焼灼対象領域の輝度値の変化を観測・評価した.追従精度評価実験においては正常な肝臓の動画に対して追従を行いその精度を計測した.
【結果】
実験により得られた結果は下記の2点である.1点目はモニタリング実験において,RFA治療の進行に応じて,焼灼対象領域での輝度値の上昇が確認できた.2点目の追従実験においては,2.54mmの平均追従精度を実現した.これは通常のテンプレートマッチングと比較して良好な結果といえる.
【結論】
本システムにおいて追従およびモニタリングの二つの側面から一定の有効性を示すことができた.