Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 血管
ワークショップ 血管 血管エコー標準化の実際と課題

(S401)

動脈エコー標準化の実際と課題

Recommendations for arterial echography

久保田 義則

Yoshinori KUBOTA

北播磨総合医療センター中央検査室

Clinical Laboratory, kitaharima medical center

キーワード :

下肢動脈エコーに求められているのは,無侵襲検査法による病変の有無診断や程度評価である.しかし,画像診断ではCTやMRが第一選択肢となっており,エコー検査選択の優先度は低いのが現状である.その理由として,検査者間の技術較差と病変の視認性が挙げられる.
【検査手順】
一般的には①大腿動脈の観察と血流波形評価.②血流波形が「狭窄後型波形」であれば,腸骨動脈の病変評価.③膝窩動脈の観察と血流波形評価.④大腿動脈波形に比して「狭窄後型波形」に変化していれば,大腿動脈全体の病変評価.⑤足首での後(前)脛骨動脈の血流評価,足背動脈の血流評価の手順が推奨されている.⑥血流波形の解析項目には,収縮期最大速度(PSV),立ち上がり時間(AcT),狭窄部最大流速,流速比(PSVR)などがあり,全ての部位で計測して良いが,評価の対象とできる部位には制限があり,拡大解釈しないようにする.
【問題点】
前述検査手順に従って検査を行うと,少なくとも15~20分は必要となる.そのため,時間短縮の目的で足首の血流波形評価のみ検査終了とできそうに思われるが,ABI検査と異なり,足首の血流波形解析で下肢全体を評価することはできない.臨床からの信頼を失う原因であり,標準的評価法に従っていただきたい.
【解決策】
検査前の情報取得が重要であり,他検査の情報や触診,問診などを効率よく事前収集し,時間を使うべき部位と簡略評価部位に振り分け検査を開始する.
【事例別】
先ずは依頼理由と依頼目的を理解する.①ABI低値の場合:低値側に主眼をおき,健常値側は対照として比較しながら進める.脈波形や%MAPなどの情報も常に見るよう.②CTやMRIなどの画像情報がある場合:画像評価病変をエコーで確認し,病変部の表面性状,可動性,血流評価に重点を置く.エコーで全てを評価しようとせず,エコーの利点を生かした情報の取得を優先し,他画像診断と合わせて全体像を評価できるように情報を揃える.③症状との乖離がある場合:症状の原因を説明できるような所見を捜すことに務める.例えば,指先病変は末梢血管の閉塞ではなくblue toe の場合があるなど,自分が納得して検査を終われるように進める.原因不明の場合も除外した所見を記述し,臨床診断の情報とする.