Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 血管
ワークショップ 血管 血管エコー標準化の実際と課題

(S401)

下肢動脈エコーの実際と問題

Current status and problem of lower limb ultrasound study

小田代 敬太

Keita ODASHIRO

九州大学医学研究院病態修復内科(第一内科)

First department of internal medicine, Kyushu University

キーワード :

下肢動脈病変に対する血管エコーガイドラインとして,超音波による大動脈・末梢動脈病変の標準的評価法が,日本超音波学会より発表されている.
生活習慣病の増加に伴い,冠動脈疾患,脳血管障害,末梢動脈疾患,大動脈疾患(大動脈瘤や大動脈解離),腎動脈狭窄症などの動脈硬化性血管疾患が増加している.無侵襲に繰り返し検査ができる超音波検査は今や脈管疾患の診療に於いて欠かせない検査法となってきているが,下肢動脈疾患の診療に十分に活かされているのだろうか?その有用性は十分に理解されているのであろうか?
我々は,現在,血管エコーを動脈硬化性血管疾患の総合的診断,血管内治療(術前・術中・術後)に活かし,血管エコーを駆使した血管診療を行っている.
個人的には,現在のガイドラインにおける粥状硬化性病変以外の疾患の解説不足,バイパス術後の評価法の無記載,血管内治療後の評価法の記載不十分などの問題があると考えている.
今回,下肢動脈疾患の日常診療に血管エコーをいかに活かしているか自験例を示し,下肢動脈疾患に対する血管エコーの有用性と問題点について話したい.