Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 泌尿器科
シンポジウム 泌尿器科 前立腺癌治療の超音波ガイダンス

(S383)

Cryoablationにおける超音波ガイダンス

US image guide for prostate cryoablation

三木 健太

Kenta MIKI

東京慈恵会医科大学泌尿器科

Urology, Jikei University School of Medicine

キーワード :

【目的】
放射線治療後に局所再発した前立腺癌に対する我が国ではじめて行われた救済凍結治療の初期経験を報告し,その安全性と治療効果を検討する.
【対象と方法】
放射線治療後にPSA上昇をきたし,前立腺針生検を行い,局所再発を確認した.2015年10月から2016年9月までの5例を対象とした.全例で骨シンチ,腹部MRI,胸部XPを行い,遠隔転移のないことを確認した.治療は全身麻酔下に切石位にて経会陰的に凍結プローブを穿刺し,治療中のアイスボールは経直腸超音波ガイドでモニターした.機器クライオヒット(CryoHit)でアルゴンガスをプローブより注入し凍結を行い,ヘリウムガスで解凍した.治療後は1,3,6,12か月の時点でPSA測定,IPSSとIIEF-5を用いてQOL調査を行った.また,治療効果判定は造影MRIも参考にした
【結果】
直腸および尿道への損傷はなく,全例で治療後翌日ないし2日後にカテーテルを抜去し退院した.PSAは全例で下降した.
【結論】
放射線治療後局所再発の前立腺癌5例に対するわが国ではじめての救済凍結治療を安全に行うことができた.この初期経験において治療に関連する合併症は排尿状態や性機能について看過できる範囲内であった.抗腫瘍効果については引き続きの経過観察が必要である.