Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 脳神経
パネルディスカッション 脳神経 脳血管障害に対する超音波診断の新機軸 Innovation of ultrasound diagnosis in cerebrovascular disease

(S376)

頸動脈プラーク評価における新機軸(造影剤)

Contrast-Enhanced Ultrasound for the Evaluation of Atherosclerotic Carotid Artery Plaques

斎藤 こずえ

Kozue SAITO

国立循環器病研究センター脳神経内科

Division of Neurology, Department of Stroke and Cerebrovascular Diseases, National Cerebral and Cardiovascular Center

キーワード :

頸動脈プラークを評価することは,動脈硬化進展の評価であることはもちろん,プラーク内出血や血栓形成などにより引き起こされるartery-to-artery embolismの塞栓源リスク評価として脳梗塞診療において非常に重要である.超音波診断としてはプラークを狭窄と捉え,狭窄率や血流速度など量的に診断する手法が主流であり,また確かに多くのデータが示されているが,実臨床では狭窄度が軽度でも再発を繰り返し治療に難渋する不安定プラークも多い.このような不安定プラークの要素として,粥腫内出血や潰瘍,新生血管増生などが病理学的に示されている.その中でプラーク内部に増生する新生血管は,脆弱で破綻しやすく粥腫内出血の引き金となりうる.急速な粥腫拡大による狭窄進行とともに,線維性被膜の破綻などを介し症候化へのリスクとなり得るため新生血管増生の程度を評価することはプラーク不安定性評価の1つとして重要と考えられる.近年超音波造影剤を用いることで,潰瘍やプラーク内新生血管の評価が従来の非造影での超音波診断に比して格段に優れていることが示されてきた.プラーク内部の造影効果と病理組織から得られた新生血管密度が相関することが示され造影効果を定量評価でき,生体内でリアルタイムに新生血管を評価することが可能となってきた.また,特に症候性病変で造影効果が高いことも示されてきており,リスク診断の一助となることも示されてきた.一方で,造影超音波診断は確かに新生血管や潰瘍病変の評価には優れるが,観察対象のプラークが今後どの程度症候化するかを予測できるかなどについては今後の課題といえる.また,現時点では適応外使用であるという点や,石灰化病変や深部にプラークがある場合は評価困難であるなど限界もある.こういった造影超音波の特徴や限界をよく知り,量的診断や他のモダリティーとうまく組み合わせることでより詳細なプラーク診断が可能になると考えられる.