Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 脳神経
シンポジウム 脳神経 超音波による頸動脈病変の標準的評価法2016:経緯と臨床への応用 Standard method for ultrasound evaluation of carotid artery lesions 2016: Process and clinical application

(S374)

臨床現場からみた課題と今後の期待(検査技師の立場から)

Problem and Future Expectation of the Clinical Examination Site

尾崎 俊也

Toshiya OZAKI

トラストクリニック臨床検査課

Department of Clinical Laboratory, Trust Clinic

キーワード :

2009年に公示された「超音波による頸動脈病変の標準的評価法」が,七年を経過して改訂され,昨年末に「超音波による頸動脈病変の標準的評価法2016(案)」としてパブリックコメントが募集されるに至った.今回の改訂で修正された項目としては,プラークの評価対象が最大厚1.5mm超とされ,狭窄病変の評価対象はプラーク占有率が50%以上で,その評価方法も狭窄部の最大血流速度によるドプラ法を必須とした点が挙げられる.追記された項目としては,総頸動脈の固定点でIMTを評価する「IMT-C10」や,自動トレースによる10mm長の多数点の平均値を求める「mean IMT」の計測方法,さらに,ドプラ血流速度を用いた脳梗塞急性期の内頸動脈遠位部の閉塞および椎骨動脈閉塞の評価方法などが挙げられる.新設された項目としては,頸動脈超音波検査の意義について推奨度とエビデンスレベルが記載され,注意すべき(要注意)プラークの評価,プラーク・狭窄評価のフローチャート,さらに,「頭・頸部血管疾患の評価および診断」が疾患別に記載された点などが挙げられる.今回私は,「標準的評価法2016(案)」を臨床現場で実践するにあたり,これらの改訂点を中心に検査技師の立場からみた課題と,今後に期待する改修点などについて,私見ではあるが述べさせて頂きます.