Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 乳腺(JABTS)
シンポジウム 乳腺 乳房再建・豊胸術と超音波検査

(S328)

インプラント挿入後の超音波所見

Ultrasound study of silicone breast implant

松本 綾希子

Akiko MATSUMOTO

がん研究会有明病院形成外科

The Department of Plastic and Reconstructive Surgery, The Cancer Institute Hospital Of JFCR

キーワード :

シリコン乳房インプラント(SBI)が保険収載されて3年が経過し,SBIによって乳房再建された患者は徐々に増加している.SBIは自家組織再建と異なり,感染・露出・破損など人工物特有の晩期合併症がある.これらのうち破損は初期には自覚症状がないことが多く,また再建後の経過が長いほど起こりやすくなるといわれている.SBIの使用指針を定める日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会ではMRIまたは超音波による定期画像検査を推奨しているが,症例数の多くない施設では実際にどのような所見を有意ととるべきか悩む場合も多いと思われる.破損に気づかずに放置すれば異物肉芽種形成の可能性があり,また被膜拘縮などによる形態変化を破損と誤診すれば不要な手術が増加する.したがって視触診のみでなく,超音波を用いてSBIや内部シリコンの状態を適切に評価する必要がある.これは乳腺外科医や超音波検査技師にも必要な知識である.
当院では保険収載以前の2006年より現在使用されているアラガン社製SBIを使用しており,ほとんどの患者に定期的フォローアップを行なえていることから,破損を含めた様々な合併症を経験している.今回は代表的な症例を供覧し,超音波検査で破損したSBIがどのように見えるのか,MRI検査所見との対比や,確認すべきポイントを含めて提示する.