Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

一度このページでloginされますと,Springerサイト
にて英文誌のFull textを閲覧することができます.

cover

2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 小児
ワークショップ 小児 縦長心エコー(成長とともに変わる小児心エコーの役割)

(S324)

術後心エコーのチェックポント

Check point of echocardiography of patients after surgery for congenital heart disease.

富松 宏文

Hirofumi TOMIMATSU

東京女子医科大学循環器小児科

Pediatric Cardiology, Tokyo Women's Medical Univercity

キーワード :

先天性心疾患(CHD)は構造異常であり,その治療の基本は外科的修復術である.わが国では1951年に動脈管開存症に対する手術が始まりである.その後人工心肺の改良に伴い複雑なCHDも修復術が可能となってきている.また,手術時期もだんだん早くなり,多くのCHDが就学前に手術を受けるようになってきている.しかし,CHDは修復術がなされていても,さまざまな合併症,残遺症および続発症を有していることがあり,手術時には最終手術であると考えられていても,生存期間の長期化に伴い再手術が必要となることも経験されるようになってきている.したがってCHDは生涯病として捉え,術後も定期的にその状態をチェックすることは重要である.さらに最近では心房中隔欠損症(ASD)や動脈管開存症(PDA)に対してはカテーテルによる治療もおこなわれるようになり,その治療成績も安定している.しかし,ASDに対するカテーテル治療では遠隔期に合併症を来すことも報告されているため経過観察は重要である.これらの経過観察を行う上で心エコー検査の果たす役割は大きい.しかし,対象となるCHDは多岐にわたるとともにそれぞれの術式も多様であるためその心エコー検査におけるチェックポイントを簡潔に整理しておくことは重要である.
そこで,今回は新生児期から乳幼児期に修復術が施行されることの多い代表的CHDとして,ASD,心室中隔欠損症(VSD),ファロー四徴症(TF),房室中隔欠損症(AVSD)の各修復術後,およびフォンタン手術後などについて手術治療が終わり学童期を迎えたCHD患者の心エコー所見について概説し,その経過観察のための一助としたい.