Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 産婦人科
シンポジウム 産婦人科2 国際産婦人科超音波学会(ISUOG)診療ガイドラインについて考える

(S305)

胎児中枢神経ガイドライン-我が国における最良なスクリーニングを考える-

Sonographic examination of the fetal central nervous system:ISUOG guideline for performing the basic examination and the fetal neurosonogram.

市塚 清健

Kiyotake ICHIZUKA

昭和大学横浜市北部病院産婦人科

Obstetrics and Gynecology, Showa University Northern Yokohama Hospital

キーワード :

International society of Ultrasound in Obstetrics and Gynecology; ISUOG(国際産婦人科超音波学会)にはClinical Standards Committee;CSC(臨床標準化委員会)が設置されており,同委員会ではこれまでに2007年に胎児中枢神経超音波検査(基本編および詳細編)ガイドライン,2011年に妊娠中期超音波スクリーニングガイドライン,2013年に妊娠初期超音波スクリーニングガイドライン,産科超音波ドプラ検査ガイドラインおよび胎児心エコーガイドライン,2016年に双胎妊娠超音波検査ガイドライン,侵襲的出生前診断ガイドラインの7つの診療ガイドラインをこれまでに作成し公開している.これらガイドラインは英語バージョンのみならずスペイン語,ポルトガル語,フランス語,ロシア語,中国語など16カ国にすでに対応しており,現在日本語対応に向けて準備中である.ISUOGのHPからだれでも入手可能である.これら診療ガイドラインは産婦人科を専門とする医師がその診断技術を常に高い基準で維持することを目的に作成されている.一方で,国や地域により医療を取り巻く環境や医療資源は異なるため法的な標準化を目指すものではないとしているためこのガイドラインを我が国でそのまま利用できるかどうかは熟考を要すると思われる.本発表では初めにISUOGのCSCが最初に公表した胎児中枢神経超音波検査(basic examination;基本編およびfetal neurosonogram;詳細編)について解説する.基本編におけるスクリーニング断面は経側脳室断面,経視床断面(BPD計測断面)および経小脳断面の3つの水平断面および脊椎長軸断面である.これら水平4断面において頭蓋の形状,側脳室,透明中隔腔,視床,小脳,大槽,脊椎について観察する.詳細編では基礎編の水平3断面に加えて4つの冠状断面と正中矢状断面および傍矢状断面が観察断面として加わる.続いて日本産科婦人科学会周産期委員会が公示している胎児超音波スクリーニング項目のうち頭部スクリーニンング項目と上述したISUOGのスクリーニング項目を比較し,現状に適していると思われるスクリーニング項目を提案させて頂き,本シンポジウムで議論して現状での我が国における胎児中枢神経の超音波スクリーニングの方向性が示されれば幸いである.