Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 産婦人科
シンポジウム 産婦人科2 国際産婦人科超音波学会(ISUOG)診療ガイドラインについて考える

(S303)

ISUOG診療ガイドライン-妊娠中期胎児スクリーニング

Practice guideline for the mid-trimester fetal ultrasound screening recommended by ISUOG

宮越 敬

Kei MIYAKOSHI

慶應義塾大学医学部産婦人科学教室

Obstetrics and Gynecology, Keio University School of Medicine

キーワード :

現在,産科超音波は胎児数・発育・胎児付属物を評価する「通常超音波検査」と胎児形態異常の検出を目的とした「胎児超音波検査」に大別される(日本産科婦人科診療ガイドライン産科編2014).また,日本産科婦人科学会(日産婦)からは妊娠10週-13週,妊娠18週-20週および妊娠28週-30週の観察項目も提言されている(参照:日産婦周産期委員会報告:http://www.jsog.or.jp/activity/report.html).しかしながら実臨床では,胎児スクリーニングの時期・観察項目は診療担当医(検者)に委ねられており,画像保存の有無・レポート形式も施設ごとに異なる.また,スキルアップを目的とした教育・トレーニングの機会も限られているのが現状である.2011年,国際産婦人科超音波学会(ISUOG)より”Practice guidelines for performance of the routine mid-trimester fetal ultrasound scan”が発表された.本ガイドラインでは妊娠中期の至適スクリーニング時期は妊娠18週-妊娠22週とされ,必須および任意観察項目・倫理的配慮などが述べられている.例えば,頭部の観察ポイントは,(1)intact cranium,(2)cavum septi pellucidi,(3)midline falx,(4)thalami,(5)cerebral ventricles,(6)cerebellum,(7)cisterna magnaである.また,スクリーニグ自体のquality controlを目的して胎児計測画像の保存も推奨されている.胎児発育不全,先天性心疾患および小児外科疾患の検出は円滑な新生児治療に直結するため,適切なスクリーニングおよび検者のスキルアップは不可欠である.本シンポジウムでは,妊娠中期胎児スクリーニングに関するISUOGガイドラインの概要を説明し,実臨床で運用する上でのポイントを述べる.