Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 循環器
シンポジウム 循環器4 心エコー図の正常値とは

(S205)

今,改めて正常値を問う意義とは

Why is it now, we need to define the reference values of echocardiography

大門 雅夫, 中尾 倫子, 木村 公一, 川田 貴之, 宇野 漢成

Masao DAIMON, Tomoko NAKAO, Kouichi KIMURA, Takayuki KAWATA, Kansei UNO

1東京大学医学部附属病院検査部, 2東京大学医学部附属病院循環器内科

1Department of Clinical Laboratory, The University of Tokyo Hospital, 2Department of Cardiovascular medicine, The University of Tokyo Hospital

キーワード :

心エコー図は,心機能の非侵襲的評価法として確立され広く臨床に用いられている.また,弁膜症の手術適応や心筋症の診断,心不全の治療効果判定など,心エコーの臨床応用については枚挙に暇ない.心エコー図を用いてこうした評価を的確に行うためには正常値を正確に定義することが不可欠であり,従来から米国心エコー図学会(ASE)による心エコー基準値がその役割を担ってきた.しかし,現在改めて心エコーの正常値の定義が問われている.例えば,JAMP studyでは日本人の心エコー正常値が明らかとなり,NORRE studyはヨーロッパ人の心エコー正常値を報告した.さらに,ASE主導で行われているWASE studyでは,世界17カ国が協同して心エコー正常値の探索が試みられている.こうした,心エコー正常値を改めて評価しようとする機運の高まりには,人種や年代,性別による心エコー計測値の多様性が認識されるようになったことが大きい.ここでは,本セッションの導入として,最近の心エコー正常値に関する新たな流れや研究の意義について考察する.