Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 循環器
シンポジウム 循環器3 大動脈弁形成を意識した心エコー

(S202)

大動脈弁自己弁温存術における術中経食道心エコーの有用性

Usefulness of intra-operative transesophageal echocardiography for aortic valve sparing surgery

丸尾 健, 小宮 達彦, 遠藤 桂輔, 横田 佳代子, 天野 秀生, 久保 俊介, 福 康志, 門田 一繁

Takeshi MARUO, Tatsuhiko KOMIYA, Keisuke ENDOH, Kayoko YOKOTA, Hideo AMANO, Shunsuke KUBO, Yasushi FUKU, Kazushige KADOTA

1倉敷中央病院循環器内科, 2倉敷中央病院心臓血管外科, 3倉敷中央病院臨床検査科

1Cardiovascular Medicine, Kurashiki Central Hospital, 2Cardiovascular Surgery, Kurashiki Central Hospital, 3Laboratory Medicine, Kurashiki Central Hospital

キーワード :

【はじめに】
大動脈弁閉鎖不全症(AR)に対する自己弁温存術が,国内でも徐々に広がりつつある.術中経食道心エコーによる成否評価は,大動脈弁では僧帽弁と異なり水試験などの術野での評価が難しいこともあり重要である.
【再発の予測】
術中経食道心エコー評価において,術後にARが再発する可能性が低い所見としては,mild以上のARの残存が無い,coaptationの長さが4mm以上であることが上げられている.Effective heightも正常であることが望まく,日本人であれば7-8mm以上が基準値となるかもしれない.Eccentric jetを認めるprolapseの場合にも増悪する可能性が高く,central plicationの追加などによる修正をしcentral jetへの修正が望まれる.しかし,大動脈弁は3尖弁であり,
【3D経食道心エコー】
2Dでの評価では右冠尖は超音波ビームの向きに正対するために形態評価が多くの場合容易だが,無冠尖および左冠尖はビームの向きと平行に近くなり形態評価が難しい.そのため,術中に両尖の形態評価をする場合には,3D経食道心エコーが有用と考える.多断面再構築像(図)を用いる事で,自由な角度で弁尖の画像を作成し,各々3尖の形態,逆流ジェットの場所,向きの評価が可能になる.
【機能分類と術中評価】
各原因による術中評価だが,TypeⅡでは,逸脱した部位にcentral plicationを追加し,弁尖の高さが補正され逸脱が改善した場合は,逆流の向きがeccentric jetからcentral jetに変化する.もし,術中経食道心エコーで逆流が残存した場合には,逆流の吹く場所,向き,可能な限り弁尖の形態,effective heightを見ることで原因を特定し追加術式を示唆する.TypeⅠではST-junctionに人工血管を吻合したり,valve sparingでaortic rootの形態を変えることでcoaptationを良くし逆流が減少する.しかし,術前はeffective heightが高くても術後に下がることも多く,弁尖の高さが相対的に低くなりすぎたりするとeccentricなARが吹く.予め術野でeffective heightを計測し,必要ならcentral plicationを追加することで,逆流を予防することができる.TypeⅢでは,弁尖が元々短縮しているため,弁尖の大きさが足りずにcoaptationができなくなり種々の場所にgapを生じることがある.この場合には,自己弁温存が困難かもしれない.