新井 光太郎

Kotaro ARAI

東京女子医科大学循環器内科

Department of Cardiology, Tokyo Women's Medical University

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近年，成人先天性心疾患の診療において循環器内科医が携わる機会が徐々に増えてきている．しかし循環器内科医の成人先天性心疾患診療にはいくつかの問題点がある．まず，循環器内科医の診る患者のほとんどは後天性の心疾患であり，多くの循環器内科医は先天性心疾患診療に対するトレーニングを受ける機会が少ないことである．そのため，先天性心疾患の解剖や病態生理，治療や術後フォローアップについての知識が少ない．また，成人期になって初めて受診する先天性心疾患患者に関しては，診断に至らない可能性や，診断された場合でも循環器小児科医へ適切にコンサルトするタイミングを逃す危険性がある．このように循環器内科医による成人先天性心疾患診療にはいくつかの困難が伴うが，本シンポジウムでは非手術例の成人先天性心疾患の心エコーについて症例を呈示しながら内科医の立場から考えたい．