英文誌(2004-)
特別プログラム 循環器
シンポジウム 循環器1 僧帽弁形成術周術期心エコー
(S194)
器質的僧帽弁逆流に対する形成術のための心エコー
Echocardiographic assessment of degenerative mitral regurgitation for mitral valve plasty
大門 雅夫, 中尾 倫子, 川田 貴之, 木村 公一, 宇野 漢成
Masao DAIMON, Tomoko NAKAO, Tkayuki KAWATA, Kouichi KIMURA, Kansei UNO
1東京大学医学部附属病院検査部, 2東京大学医学部附属病院循環器内科
1Department of Clinical Laboratory, The University of Tokyo Hospital, 2Department of Cardiovascular medicine, The University of Tokyo Hospital
キーワード :
様々な術式や技術の進歩により,器質的僧帽弁逆流(MR)に対する外科治療は,僧帽弁置換術に代わって形成術が主流となった.そこで求められる心エコーの役割は,MR重症度評価だけではない.心エコー図には,僧帽弁の形態を詳細に評価した上で外科医が術前に術式のプランを立てられるような情報を提供することが求められる.また,ガイドラインにもあるように,僧帽弁形成術の成否予測が手術適応そのものに関わってくるため,心エコーの役割は重要である.したがって,MRの術前心エコー検査にあたっては,基本的な弁形成術の術式を理解し,外科医が必要とする情報何かということを知っておく必要がある.僧帽弁形成術の成功は,術後の残存逆流,弁口の狭小化,術後僧帽弁の収縮期前方運動(SAM)による左室流出路狭窄などの合併症を残さないことよって評価される.ここでは,器質的MRに対する弁形成術の基本と術前に心エコーで評価しておくべき項目について概説する.