Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.677(2017年)→0.966(2018年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 循環器
シンポジウム 循環器1 僧帽弁形成術周術期心エコー

(S194)

僧帽弁逆流をおこす僧帽弁複合体の形態と機能の異常

Insights into geometric and/or functional abnormalities of mitral complex in mitral regurgitation from echocardiography

福田 祥大, 岩瀧 麻衣, 尾上 武志, 屏 壮史, 竹内 正明, 尾辻 豊

Shota FUKUDA, Mai IWATAKI, Takeshi ONOUE, Soshi HEI, Masaaki TAKEUCHI, Yutaka OTSUJI

1産業医科大学第2内科学, 2産業医科大学臨床検査・輸血部

1Second Department of Internal Medicine, University of Occupational and Environmental Health, 2Department of Laboratory and Transfusion Medicine, University of Occupational and Environmental Health

キーワード :

僧帽弁は,弁輪と弁尖,さらに腱索や乳頭筋を含めた「僧帽弁複合体」として機能している.器質的僧帽弁逆流(MR)の代表的疾患である僧帽弁逸脱症は大きくfibroelastic deficiency(FED)とBarlow症候群に大別される.FEDは腱索断裂によって一部弁尖が全収縮期にわたって逸脱することが多い.一方,Barlow症候群は著明な弁輪拡大を特徴とし,弁尖全体が収縮後期優位に逸脱する.なぜ弁が逸脱するのか,その機序を個々の症例で考えることはより良い形成術へつながる可能性がある.
僧帽弁複合体に器質的な異常を認めないにも関わらず逆流が生じるものを機能性(二次性)と呼び,拡張型心筋症や虚血性心疾患に合併したMRが含まれる.その最も重要な発生機序が乳頭筋の外側偏位である.乳頭筋が付着する左室壁の拡大により乳頭筋が外側に偏位する結果,腱索が弁尖を乳頭筋方向へ牽引(テザリング)し,弁尖接合不全が生じる.しかし機能性MRにおいて乳頭筋機能不全が合併すれば,逆流は減少する.
このように,僧帽弁複合体に含まれる因子(弁輪,乳頭筋,腱索,左室)のうち,最低1つが破綻すればMRが生じえる.このことは器質的MRでも機能性MRでの共通である.これら器質的MRおよび機能性MRにおける僧帽弁複合体の形態や機能の評価にエコーは極めて有用である.特に近年発達が目覚ましい3次元エコー法やストレイン法を活用することで,視覚的かつ定量的に僧帽弁複合体の異常を検出できる.本発表では,これら種々の心エコーによって評価できる僧帽弁逆流をおこす僧帽弁複合体の形態と機能の異常について症例を提示し,形成術への寄与の可能性につき述べたい.