Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 工学基礎
シンポジウム 工学基礎4 光超音波イメージングの新展開

(S188)

Low-rank最適化によるノイズ分離および位置合わせを用いた光超音波血管画像の画質改善

Low-Rank-Based Alignment in Photoacoustic Imaging by Decomposing Foreground, Background and Errors

備瀬 竜馬, ZHENG Yinqiang, 佐藤 いまり

Ryoma BISE, Yinqiang ZHENG, Imari SATO

国立情報学研究所コンテンツ科学研究系

Digital Content and Media Sciences Research Division, National Institute of Informatics

キーワード :

光超音波イメージング技術は生体内の血管を非侵襲に3次元可視化できる技術として注目を集めている新しいイメージング技術であり,様々な疾病と関係が深い血管構造を可視化できることから,早期診断・治療経過診断への応用が期待されている.この技術は血液中のヘモグロビンが光を吸収して音を発生する光超音波現象を利用しており,超音波を多数のセンサで計測することで,血管をイメージングすることができる.一回の光照射及びセンシングする範囲(ショットボリューム)は局所的な領域であることが一般的であり,手や胸部といった広い範囲をイメージングするためには,装置を移動しマルチスキャンし,画像平均化等を用いることで合成し,全体画像を作成する.しかしながら,スキャン中に患部が動くと画質劣化するという問題があるため,ショットボリューム間の位置合わせが重要となる.ワンショットボリュームは,一般的な画像と比べ,ノイズが非常に大きく,画像間の類似度指標に悪影響を及ぼすため,従来の位置合わせ手法はうまく機能しない.そこで,本発表では,このようなノイズの影響が大きい画像であっても位置合わせ可能な手法を報告する.血管・ノイズ・データ欠損要素の3つの要素に分解しながら位置合わせを行う問題を行列のLow-rank最適化問題として定式化し,解くことで,ノイズの悪影響を除外し,位置合わせが可能となる.実際の生体データに適用した結果,従来手法と比べ,提案手法により大幅に画質が改善された.