Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2017 - Vol.44

Vol.44 No.Supplement

特別プログラム 領域横断
特別企画(超音波検査士制度委員会主催) 認定超音波検査士取得のための報告書等作成時のポイントと注意点

(S166)

消化器領域における報告書作成時のポイントと注意点

Points and pitfalls of making a report in gastrointestinal area

西川 かおり, 森 秀明, 山田 博康, 関根 智紀

Kaori NISHIKAWA, Hideaki MORI, Hiroyasu YAMADA, Tomoki SEKINE

1杏林大学医学部第三内科, 2県立広島病院消化器内科, 3国保旭中央病院中央検査科

1The Third Department of Internal Medicine, Kyorin University School of Medicine, 2Department of Gastroenterology, Hiroshima prefctural Hiroshima Hospital, 3Department of Laboratory, Asahi General Hosupital

キーワード :

超音波検査士認定試験では超音波検査実績として20例の抄録提出が求められている.検査士試験の合否判定は【書類審査(抄録の審査)】の評価と【筆記試験(臨床領域)】,【筆記試験(基礎領域)】により行われ,合格には各々の正答率がすべて60%以上であることが求められる.平成25年度から,抄録の審査は記載内容により減点がなされ,合否に影響することになった.以下に消化器領域の抄録を記載する際の注意点を述べる.
①検査技師の資格を審査される書類である,ということを認識して作成する.
②抄録20例は臨床領域別内訳の疾患コード別に指定された症例数を満たす必要がある.C-1の肝臓のびまん性疾患,C-2の肝臓の良性腫瘤,C-3の肝臓の悪性腫瘤,C-4の胆道・膵臓の良性疾患,C-5の胆道・膵臓の悪性疾患,C-6の消化管疾患,C-7のその他の疾患となっている.その他の疾患とは脾疾患,腹腔疾患(腹腔内膿瘍,癌性腹膜炎,腹膜偽粘液腫など),外傷(肝・脾・消化管など)などであり,泌尿器科領域,産婦人科領域,大血管領域(腹部大動脈瘤,大動脈解離など)などの他領域の疾患は含まれない.疾患コードを間違え,必要症例数を満たさない場合や,他領域疾患を提出した際は減点の対象となる.
③超音波検査所見は対象臓器だけでなく,たとえ異常がみられなくてもその他の腹部臓器についても所見の有無を記載する.超音波検査所見の記載欄に病名(胆結石,肝胞など)を記載したり,超音波診断の記載欄に主膵管拡張や腹痛などの超音波所見や症状を記載しない.
④考察は単に症状や理学所見,血液検査所見,他の画像所見,手術結果などを羅列するのではなく,これらの所見と超音波所見(診断)との関連や,診断の決め手となった超音波所見の記載,最終診断に至った経緯などを記載する.
⑤超音波画像は患者名やIDなどの個人情報の削除が求められる.未削除や患者氏名を塗りつぶしてもそれが巳然として視認出来るような場合は,個人情報保護を十分理解していないとの判断で減点の対象となる.画像のスケッチは手書きで行う.鉛筆書きは認められていないので減点対象となる.また主要な超音波所見とともに臓器や血管などの名称も引き出し線を用いてスケッチ内に記載すること,スケッチでは無エコーな部分(胞や血管など)は白のままで,黒塗りはしない点にも注意する必要がある.