Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
産婦人科 胎児心臓・血管

(S842)

出生前に卵円孔の狭小化を伴うTGAⅠ型と判断され,計画的娩出後にBASを施行した胎児例

A prenatal case of transposition of great arteries with closed foramen ovale

今野 寛子, 松下 充, 浅沼 栄里, 横内 妙, 神農 隆, 村越 毅

Hiroko KONNO, Mitsuru MATSUSHITA, Eri ASANUMA, Tae YOKOUCHI, Takashi SHINNO, Takeshi MURAKOSHI

聖隷浜松病院周産期科

Maternal and Perinatal Care Center, Seirei Hamamatsu General Hospital

キーワード :

【背景】
今回,卵円孔の狭小化を伴う胎児完全大血管転位症(TGA)Ⅰ型と診断し,計画的に娩出し,出生当日に児に対しバルーン心房中隔裂開術(BAS)を行った症例を経験したので報告する.
【症例】
32歳女性.0妊0産.特記すべき既往歴なし.妊娠24週より胎児TGAが疑われ,妊娠34週,周産期管理目的に当科紹介.胎児超音波検査でTGAⅠ型と診断された.妊娠37週より卵円孔の狭小化を認め,妊娠38週6日にはさらに狭小化を認めたため,生後早期のBASを要する可能性があると判断された.児娩出から生後早期の治療に関連する各科(新生児科,小児循環器科,心臓血管外科,麻酔科)と合同カンファレンスを行い,関連部署が待機の上での予定帝王切開の方針とした.妊娠39週5日,帝王切開術施行.児は直ちに新生児科による挿管・呼吸管理が行われ,小児循環器医による循環評価・PGE1投与を開始した後,カテーテル室に移動しBASを施行した.日齢8日目にJatene手術を行い経過良好である.
【結語】
胎児のTGAⅠ型,卵円孔の狭小化が疑われ,予定帝王切開術を行った症例を経験した.出生後の児に対し緊急処置が必要となる可能性も考慮されたため,関連各科との十分な事前検討・連携が必要であった.