Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
産婦人科 母体②

(S840)

Superb Microvasclar Imagingが診断に有用であったKrukenberg腫瘍の2例

Two cases of Krukenberg tumor diagnosed by Superb Microvasclar Imaging of transvaginal ultrasonography

竹田 健彦, 山田 拓馬, 広田 真一, 田野 翔, 宇野 枢, 吉原 雅人, 眞山 学徳, 鵜飼 真由, 岸上 靖幸, 小口 秀紀

Takehiko TAKEDA, Takuma YAMADA, Shinichi HIROTA, Sho TANO, Kaname UNO, Masato YOSHIHARA, Michinori MAYAMA, Mayu UKAI, Yasuyuki KISHIGAMI, Hidenori OGUCHI

トヨタ記念病院産婦人科

Department of Obstetrics and Gynecology, TOYOTA Memorial Hospital

キーワード :

【緒言】
Superb Microvasclar Imaging(SMI)は高感度,高分解能,高フレームレートで,従来検出困難であった低流速の血流を非造影で明瞭に可視化する優れた血流表示法である1).今回我々は,PET/CTでFDGの異常集積は認めなかったが,SMIにて腫瘍内の微細な血流を捉え,診断に有用であったKrukenberg腫瘍の2症例を経験したので報告する.
【症例】
症例1は37歳,1経妊0経産.特記すべき既往歴なし.近医で両側卵巣腫瘍を指摘され,精査目的で当科紹介受診となった.経腟超音波断層法では,左卵巣に9.9×6.4 cm,右卵巣に7.1×5.8 cmの充実性,一部嚢胞性の腫瘤を認めた.腫瘍マーカーは正常範囲内であった.転移性卵巣腫瘍を疑いPET/CTを施行したが,FDGの異常集積は認めなかった.SMIでは血流豊富な部分が多く,カラードプラ法で血流の豊富な部分を避けて経腟超音波ガイド下針生検を施行した.病理組織診断は印環細胞癌であり,内視鏡下胃粘膜生検で胃癌と診断した.症例2は57歳,3経妊3経産.7年前に胃癌に対し,幽門側胃切除術および術後化学療法を施行した既往があり,再発なく経過していた.腰痛のため整形外科を受診し,腰椎MRIにて偶発的に卵巣腫瘍を指摘され,当科紹介受診となった.経腟超音波断層法では,左卵巣に8.7×5.3 cmの隔壁の肥厚を伴う多房性の腫瘤を認めた.腫瘍マーカーは正常範囲内であった.転移性卵巣腫瘍を疑いPET/CTを施行したが,FDGの異常集積は認めなかった.SMIでは肥厚した隔壁や充実部分に豊富な血流を認めたため,診断目的に腹腔鏡下両側付属器摘出術を施行した.病理組織診断は印環細胞癌であり,内視鏡下胃粘膜生検でも,同様の腺癌を認め,胃癌の再発と診断した.
【結論】
悪性卵巣腫瘍では,腫瘍壁や中隔に広範囲に血流速度の高い不整な血流が検出されるため,血流の評価が重要となる2).また,Krukenberg腫瘍では樹枝状の血流が特徴的であり,超音波断層法での所見が鑑別に有用であるとの報告もある3).今回我々は,腫瘍マーカーや画像検索で悪性所見が不明瞭であったが,経腟超音波断層法を用いたSMIで豊富な血流を認め,経腟超音波ガイド下針生検や腹腔鏡手術にて,安全かつ低侵襲に組織型を早期に診断し原発巣を特定できた.SMIは低流速の血流も明瞭に可視化でき,Krukenberg腫瘍の診断に有用であった.
【文献】
1)畠 二郎,佐藤武史,掛江明弘.特集超音波診断装置の新潮流-低流速検出能に優れた血流イメージング- Superb Microvascular Imaging(SMI)の特徴と臨床的有用性.映像情報Med 2015;47(5):438-443.
2)Hata K, Hata K, Kitao M. Intratumoral peak systolic velocity as a new possible predictor for detection of adnexal malignancy. Am J Obstet Gynecol. 1995;172(5):1496-500.
3)Chen CY, Wu YC, Yen MS, et al. The power Doppler velocity index, pulsatility index, and resistive index can assist in making a differential diagnosis of primary ovarian carcinoma and Krukenberg tumors: a preliminary study. J Ultrasound Med. 2007;26(7):921-6.