Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
消化器 その他①

(S808)

初期の腹膜偽粘液腫の超音波像(虫垂粘液腺癌)

Sonographic findings of the early Pseudomyxoma peritonei(mucinous adenocarcinoma of appendix)

伊集院 裕康1, 青木 めぐみ2, 古賀 哲也1, 厚地 伸彦1, 石田 秀明3, 神山 拓郎4, 河野 竜二5

Hiroyasu IJUIN1, Megumi AOKI2, Tetuya KOGA1, Nobuhiko ATUTI1, Hideaki ISIHIDA3, Takurou KAMIYAMA4, Ryuuji KAWANO5

1天陽会中央病院内科, 2天陽会中央病院検査部, 3秋田赤十字病院内科, 4天陽会中央病院放射線科, 5天陽会中央病院外科

1Internal Medicine, Tenyoukai Chuo Hospital, 2Clinical Laboratory, Tenyoukai Chuo Hospital, 3Internal Medicine, Akita Red Cross Hospital, 4Radiology, Tenyoukai Chuo Hospital, 5Surgery, Tenyoukai Chuo Hospital

キーワード :

【はじめに】
腹膜偽粘液腫はゼリー状の粘液が貯留する疾患である.時間とともに進行し腹満,腸閉塞となり次第に低栄養状態となりやがて致死的となる.初期の段階で発見あるいは発症する前に発見することが大切と思われる.
【症例】
58歳・女性53歳時腹痛発作あり胆石指摘.今回 手術を希望され来院.血液生化学データ:特に異常所見無し.腹部超音波検査:虫垂は限局性に嚢腫状に拡張し近接して限局性無エコー域を認めた.造影CTでは虫垂粘液腫 周囲の腹水も指摘できなかった.胆石および 虫垂粘液腫疑い手術した.虫垂粘液嚢腫及び胆石にて手術した.虫垂はやや硬く虫垂間膜表面に粘液の漏出認めた.ルーペ像では虫垂内腔を被覆する粘液産生性の異型細胞を認め管状あるいは乳頭状に配列していた.弱拡大像では固有筋層の断裂と浸潤像を認めた.強拡大像にて核のやや腫大や,N/C比の増大並びに核の重層性を示し粘液腺癌と診断した.
【まとめ】
虫垂粘液腫から腹膜偽粘液腫を発症すると予後不良とされている.本症例は虫垂近傍のみに粘液が認められまさに腹膜偽粘液腫発症の初期状態と思われた.CTでは診断困難で超音波検査で虫垂粘液嚢腫および虫垂周囲の粘液が描出され有用であった.