Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 1.878(2021年)→1.8(2022年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般ポスター
循環器 循環器④

(S786)

大動脈弁置換術中に僧帽弁収縮期前方運動を認めた大動脈弁狭窄症の1例

Severe mitral systolic anterior motion caused during aortic valve replacement

尾松 卓1, 原田 顕治1, 寺田 菜穂1, 山本 浩史1, 藤永 裕之1, 割石 精一郎2, 加納 正志2, 筑後 文雄2

Takashi OMATSU1, Kenji HARADA1, Naho TERADA1, Hirofumi YAMAMOTO1, Hiroyuki FUJINAGA1, Seiichirou WARIISHI2, Masashi KANOU2, Fumio CHIKUGO2

1徳島県立中央病院循環器内科, 2徳島県立中央病院心臓血管外科

1Cardiovascular Department, Tokushima Prefectural Central Hospital, 2Cardiovascular Surgery, Tokushima Prefectural Central Hospital

キーワード :

【症例】
70歳代,女性
【現病歴】
20XX年に大動脈弁狭窄症および右冠動脈狭窄に対し大動脈弁置換術(AVR)および冠動脈バイパス術が施行された.手術は順調に経過したが,人工心肺離脱時に突然モニター上,橈骨動脈圧の低下(76→58 mmHg)と肺動脈圧の上昇(37→53 mmHg)が認められた.術中経食道心エコー上,高度僧帽弁逆流(MR)の出現および左室流出路で血流の加速を伴う僧帽弁前尖の収縮期前方運動(SAM)が確認された.カテコラミンの中止および容量負荷によりSAMは消失し,MRの改善を認めた.橈骨動脈圧は回復,肺動脈圧は低下し,血行動態も安定したため閉胸し手術を終了した.
【考察】
AVR時にSAMが出現する例は比較的稀である.本症例では術前の経胸壁心エコーでS字状中隔を認めており,術中の循環動態の変化に伴うSAMの出現に関与したと考えられる.術中経食道心エコーは,急激な血行動態の変化などに対する,リアルタイムな原因精査に有用である.