Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
血管 血管①

(S728)

冠動脈バイパス術前における橈骨動脈エコーの有用性について

Efficacy of Echography for Radial Artery by Coronary Artery Bypass Graft

吉岡 和哉1, 中駄 英里1, 諸石 武史1, 東條 正信1, 山岡 誠1, 橋口 遼1, 川村 純子1, 上田 政一1, 正井 崇史2, 岩倉 克臣3

Kazuya YOSHIOKA1, Eiri NAKADA1, Takeshi MOROISHI1, Masanobu TOUJYOU1, Makoto YAMAOKA1, Ryou HASHIGUTI1, Jyunnko KAWAMURA1, Masakazu UEDA1, Takafumi MASAI2, Katuomi IWAKURA3

1特定医療法人渡辺医学会桜橋渡辺病院臨床検査科, 2特定医療法人渡辺医学会桜橋渡辺病院心臓血管外科, 3特定医療法人渡辺医学会桜橋渡辺病院循環器内科

1Department, Laboratory Department, 2Department, Cardiovascular Surgery, 3Department, Cardiovascular Medicine

キーワード :

【目的】
冠動脈バイパス術においてグラフトとして橈骨動脈や大伏在静脈,内胸動脈が採取されるが冠動脈多枝病変においては複数グラフトを使用する事が多い.当院では複数本のバイパスが必要とされる症例においては術前に上肢エコーを実施している.今回我々はエコー計測による血管径と術後グラフト造影の血管径から,上肢エコー検査の有用性を検討することである.
【対象】
2013年1月から2015年10月までに施行した連続冠動脈バイパス術160例中83症例においてグラフトとして橈骨動脈を使用した(術後当院でカテーテルを施行していない2症例は除く).男性73例,女性10例,年齢は66±11(34-82)歳.1症例あたりバイパス3.64本に対して橈骨動脈を使用している.
【方法】
術前エコーとして橈骨動脈外径を臥位で計測した.走行異常や血栓がないことを観察した.血管径は手首近くの末梢短軸にて計測を行い(縦+横)/2とした.また術後カテーテル検査にてグラフト造影を施行し冠動脈吻合部前での血管径を計測した.計測機器はGE:CA1000にて造影カテーテルサイズをキャリブレーションしてから造影されたグラフト血管径を2回平均して算出した.エコーによる血管径と術後造影グラフト径から比較し検討した.
【結果】
エコーにて83例,166肢中25肢が橈骨動脈あるいは尺骨動脈に石灰化プラークや合流異常が観察された.グラフトとして使用した橈骨動脈径A:エコー平均2.67(±0.47){最小1.80-最大4.05}mm.また術後グラフト造影での橈骨動脈径B:術後冠動脈吻合前2.60(±0.43){最小1.83-最大3.96}mmであった.拡張率B/A:0.97であった.(y=0.68x+0.78,R2=0.57).エコー径と術後冠動脈グラフト径は相関を認めた.
【考察】
グラフト採取後生食注入によって血管径は大きく拡張すると考えられたがエコー径との変化は認めなかった.今回3.4症例中1例は上肢エコーで異常を伴い,血管の性状や走行を観察する事でグラフト選択において有用と考えられた.また複数グラフトを考慮する場合,下腿の大伏在静脈と合わせて一番血管性状の良いグラフトを評価することが重要と思われた.
【結論】
冠動脈バイパス術における術前エコー法は適切に評価することでグラフト採取に大きく影響するとともに,術後グラフト長期持続にも期待がありエコーは有用であった.