Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
産婦人科 母体・分娩①

(S717)

経会陰超音波による鉗子適位の検討

Analysis of proper head position for forceps delivery with intrapartum translabial ultrasound

坂巻 健1, 菊浦 沙織1, 松原 麻祐子1, 市瀬 茉里1, 樋口 紗恵子1, 金高 友妃子1, 後藤 美希1, 手塚 真紀2, 小林 浩一1

Ken SAKAMAKI1, Saori KIKUURA1, Mayuko MATSUBARA1, Mari ICHINOSE1, Saeko HIGUCHI1, Yukiko KANETAKA1, Miki GOTO1, Maki TEZUKA2, Koichi KOBAYASHI1

1JCHO東京山手メディカルセンター産婦人科, 2広尾まきレディスクリニック産婦人科

1Obstetrics and Gynecology, JCHO Tokyo Yamate Medical Center, 2Obstetrics and Gynecology, Hiroo Maki Ladies Clinic

キーワード :

【目的】
近年,吸引分娩については,経会陰超音波により得られた所見から,吸引分娩の難易度が予想できるとする報告がなされているが,鉗子分娩では同様の報告はない.我々は経会陰超音波で鉗子分娩直前の児頭の位置を記録・検討してきたが,鉗子分娩では「不成功に終わる」ことがないため,鉗子分娩が不可能であったデータを得ることができず,鉗子分娩を選択してよい児頭の位置を検討することは困難であった.これらの背景から,本研究では,鉗子分娩が可能/不可能となる児頭の位置を経会陰超音波により明らかにすることを目的とした.
【対象と方法】
2015年8月から12月までの間に当院で分娩した産婦を対象とした.産婦が分娩室に入室後,医師が陣痛間欠期に内診を行い,直後に経会陰超音波で3Dデータを保存.医師は内診所見から現時点で鉗子分娩が可能な位置に児頭があるかを判断し,内診所見とともに記録.分娩後に保存された3DデータをSonoVCAD(Sonography based Volume Computer Aided Diagnosis)Laborを用いて解析(検者は1人で,分娩には関わらない)し,Progression Angle(以下PA),Progression Distance,Head Direction,Midline Angle(以下MA)を算出.これらの4つのパラメーターを内診所見と比較し,検討した.
【結果】
23例に対し計27回の内診と経会陰超音波検査のデータが収集でき,鉗子分娩が可能と判断された計測が19件,不可能と判断された計測が8件であった.PA130度以上かつMA45度未満の16件中15件で鉗子分娩可能,PA130度以上かつMA45度以上の7件中5件では不可能と判断されていた.また,PA140度以上かつMA30度以内の15件は全て鉗子分娩可能と判断されていた.
【考察】
これまでの検討では,PA140度前後から安全な鉗子分娩が可能となる症例が多くなる印象であったが,今回の結果はこれに合致するものであった.PAが140度前後であっても,MAの値が大きい(第2回旋が進んでいない)症例では鉗子分娩とするかの判断に矢状縫合の評価が重要で,経会陰超音波を併用することでより診断が確実になるものと考えられた.今後症例を蓄積することで,鉗子分娩を選択するのが適切かどうかの判断に,経会陰超音波が利用できると考えられた.