Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
産婦人科 胎児

(S707)

胎児超音波を用いた新生児体脂肪率予測に関する検討

Neonatal adiposity prediction using fetal ultrasonography

池ノ上 学1, 2, WAFFARN Feizal2, 宮越 敬1, 住吉 香恵子3, 大橋 昌尚3, 鮫島 浩3, 田中 守1, WADHWA Pathik4

Satoru IKENOUE1, 2, Feizal WAFFARN2, Kei MIYAKOSHI1, Kaeko SUMIYOSHI3, Masanao OHASHI3, Hiroshi SAMESHIMA3, Mamoru TANAKA1, Pathik WADHWA4

1慶應義塾大学医学部産婦人科, 2Department of Pediatrics,University of California, Irvine, School of Medicine, USA, 3宮崎大学医学部産婦人科, 4Department of Psychiatry and Human Behavior,University of California, Irvine, School of Medicine, USA

1Department of Obstetrics and Gynecology, Keio University, School of Medicine, 2Department of Pediatrics, University of California, Irvine, School of Medicine, USA, 3Department of Obstetrics and Gynecology, Miyazaki University, 4Department of Psychiatry and Human Behavior, University of California, Irvine, School of Medicine, USA

キーワード :

【目的】
出生体重と小児肥満や早期発症メタボリックシンドロームとの関連が明らかになっているが,より特異的な指標として新生児体脂肪率が注目されている.胎児皮下脂肪の蓄積は妊娠16週頃から始まり,その80%以上が妊娠30週以降におこるとされるが,新生児体脂肪率との関連に関する検討は未だ少ない.今回我々は,新生児体脂肪率の予測を目的として,妊娠20週および妊娠30週時における胎児皮下脂肪計測を行った.
【方法】
対象は,妊娠20週および妊娠30週時に胎児皮下脂肪超音波計測を行い,出生後に新生児体脂肪率を測定した109例である.胎児超音波検査では,上腕(Mid-upper arm percent fat area:Arm%FA),大腿(Mid-thigh percent fat area:Thigh%FA),腹部前面(Anterior abdominal wall thickness:AAW)の皮下脂肪を計測した.次に,Arm%FA,Thigh%FA,AAWのz-scoreを算出し,その平均値を胎児脂肪率指数とした.また,新生児体脂肪率は月齢1ヶ月時のDual Energy X-Ray Absorptiometry(DXA)により測定した.母体年齢,経産数,人種,民族,妊娠前BMI,妊娠中の体重増加,妊娠糖尿病の有無,出生週数,生後日数,授乳方法(母乳/人工乳/混合乳)を交絡因子として,重回帰分析により胎児脂肪率指数(妊娠20週および30週)と新生児体脂肪率の相関を検討した.次に,ROC解析を行い,胎児脂肪率指数の構成因子(Arm%FA,Thigh%FA,AAW)による新生児体脂肪率≧90%tileの予測能を算出した.本研究は,University of California, Irvineにおける倫理委員会の承認のもと施行された.
【結果】
対象109例の新生児体脂肪率(mean±SD)は13.9±5.7%であり,妊娠30週時の胎児脂肪率指数のみ有意な相関を示した(R2 = 0.245,p<0.001).胎児脂肪率指数の構成因子のうち,特にArm%FAは新生児体脂肪率と有意に相関した(R2 = 0.204,p<0.001).ROC解析の結果,Arm%FA(カットオフ値:52.5%)による新生児体脂肪率≧90%tileの予測能は感度72.7%,特異度71.4%であった.
【結論】
妊娠30週時の胎児脂肪率指数が新生児体脂肪率と有意に相関し,特に上腕の皮下脂肪率は新生児体脂肪率≧90%tileの予測に有用であった.したがって,妊娠30週以降における胎児皮下脂肪増加の前に,超音波計測により新生児体脂肪率を予測できる可能性が示唆された.