Online Journal
電子ジャーナル
IF値: 0.966(2018年)→0.898(2019年)

英文誌(2004-)

Journal of Medical Ultrasonics

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2016 - Vol.43

Vol.43 No.Supplement

一般口演
産婦人科 胎児心臓循環

(S702)

胎児期に診断された心臓腫瘍の新生児経過と予後の検討

Neonatal progress and prognosis for five cases of cardiac tumor diagnosed for the fetus period

江口 武志1, 玉田 祥子1, 光井 崇1, 平野 友美加1, 衛藤 英理子1, 早田 桂1, 増山 寿1, 平松 祐司1, 近藤 麻衣子2, 馬場 健児2

Takeshi EGUCHI1, Shoko TAMADA1, Takashi MITSUI1, Yumika HIRANO1, Eriko ETOU1, Kei HAYATA1, Hisashi MASUYAMA1, Yuji HIRAMATSU1, Maiko KONDO2, Kenji BABA2

1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産科婦人科学教室, 2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科小児科学教室

1Obstetrics and Gynecology, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, 2Pediatrics, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences

キーワード :

【目的】
胎児心臓腫瘍は稀な疾患であるが,超音波検査で比較的容易に診断できる.しかし,胎児期に診断できなければ,生児に対して治療の開始が遅れる可能性がある.量的・質的診断を行うことで新生児予後の改善に寄与するかの検討を目的とした.
【方法】
当院周産母子センターで超音波検査を用い胎児期に心臓腫瘍と診断された5症例の胎児,新生児経過を後方視的に検討した.
【結果】
胎児期に心臓腫瘍を指摘された5症例のうち4症例が他院で心臓疾患を疑い紹介され,1症例が妊娠初期から当院で健診していた.診断時期は4症例がsecond trimesterで診断された.また1症例は助産院で健診していて,提携病院で妊娠36週に行われた胎児精査で診断された.全例で胎児期に多発する心臓腫瘍を認め,超音波検査とMRI所見から4症例は心横紋筋腫,1症例は心臓粘液種が疑われた.また,心横紋筋種が疑われた4症例に大脳皮質結節と上衣下結節を認め結節性硬化症と診断したが,胎児期に頭蓋内病変を指摘することができたのは4症例中1症例であった.長径1cm以上の心臓腫瘍を持つ4症例で心胸郭断面積比(CTAR)は正常妊娠に比して高値であったが,心嚢液,胸水や胎児水腫は存在しなかった.全例,正期産で仮死なく出生した.4症例は経腟分娩で出生したが,胎児期に左室流出路へ突出した長径12mmの有茎性腫瘍を認めた症例では出生後循環変化に伴い左室流出路の閉塞が予想されたため選択的帝王切開で出生し,同日腫瘍切除術を行った.非手術症例の腫瘍径は妊娠週齢に比して増大したが,出生後は相対的に縮小した.また,新生児期にエベロリムスを使用した1症例では,腫瘍の内部エコーは高輝度,均一から等低輝度,不均一へ変化していった.現在,全症例で心不全の所見は指摘されていない.
【結論】
胎児期に心臓腫瘍の部位・大きさを把握することは重症度判定に重要であり,出生後に治療を要する新生児症例に対し適切かつ早急な治療を行うことで,新生児予後の改善に寄与する.